ahamoの海外ローミングをアジアで使ってみた体験談と、注意点の解説

追加料金なしで使えるahamo(アハモ)の海外ローミングの詳しい解説と実体験まとめ

ahamoの海外ローミングをアジアで使ってみた体験談と、注意点の解説

ドコモの低価格プランのひとつ「ahamo」は20GBで月額2,970円のワンプランというシンプルさが特徴ですが、海外でもデータ通信(インターネット)が追加料金なしで利用できるという点でも人気です。

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9月12日追記: 2024年10月1日から、月間利用可能データ量が20GBから30GBに増量されるということが、NTTドコモから発表されました。料金は据え置きということでそのまま。
ahamo公式サイトより

*ahamoの公式サイトでは「海外データ通信」という名称が使われていますが、一般的によく用いられる「海外ローミング」と同じ意味です。

データ通信とかローミングという言葉がしっくり来ない方は、とりあえず「海外でWi-Fiなしでもインターネットを使える機能」と捉えてもらえればOKです。

自分はこの海外ローミングの便利さが大きな理由でpovoからahamoに乗り換えました。

この記事ではahamoの海外ローミングの内容プラス、実際に海外で使ってみた体験談をまとめました。

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よくあるサービスの内容まとめ記事よりもがっつり深掘って、そして実体験を元に書いています。

ちなみに結論を先に述べると、予想以上に快適に使えました。自分は楽天モバイルも10カ国くらいで使ったことがありますが、ahamoの方が通信品質は良いです。そしてpovoも5カ国以上で使ったことがありますが、povoは追加料金がかかるので、やはりahamoの方が優秀です。

海外データ通信 | サービス | ahamo
追加料金不要で、海外82の国・地域でデータ通信がご利用になれます。
ahamo公式サイト | 海外データ通信

ahamoの海外ローミングの利用料金と他社比較

記事冒頭でも書いた通り、ahamoの海外ローミングは「追加料金なし」で利用できます。

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月々のプラン料金(20GBであれば月額2,970円)以外に費用は発生しません。

執筆時点では日本国内のスマホ料金プランで海外ローミングを追加料金なし(無料)で使えるのは、ahamoと楽天モバイルだけ。povo含めほかの通信会社はすべて海外でインターネットを使う場合は料金がかかります。(本家ドコモも追加料金あり。)

楽天モバイルでは海外で利用できるデータは月に2GBまでという上限がありますが、ahamoでは月々の20GBのデータ容量の範囲内であれば制限なしで使うことができます。ただし後述する15日間の制限はあります。

結論、現時点では海外ローミングに関して言えばahamoは実質最強と言ってもいいかもしれません。

使い方と対応国・地域

ahamoの海外ローミングの利用方法は非常に簡単で、

現地に着いてから「データローミング」をオンにする

だけ。

iPhoneでのデータローミング有効化方法

事前の申込みやその他の設定などは一切必要ありません。

ahamo公式サイトより

データ通信サービスを利用できるエリアは、2023年10月10日に少し増えたため、以下91の国と地域となっています。日本人に人気の渡航先の多くは含まれていますが、アフリカ、中東、中南米は少なめ。

ahamo 海外ローミング対応国・地域一覧

北米 👇

  • アメリカ(本土)
  • アラスカ
  • カナダ
  • グアム
  • サイパン
  • ハワイ

アジア 👇

  • インド
  • インドネシア
  • カンボジア
  • シンガポール
  • タイ
  • フィリピン
  • ブルネイ
  • ベトナム
  • マカオ
  • マレーシア
  • ミャンマー
  • ラオス
  • 韓国
  • 香港
  • 台湾
  • 中国
  • バングラデシュ
  • モンゴル

オセアニア 👇

  • オーストラリア
  • ニュージーランド
  • フィジー
  • ナウル

ヨーロッパ 👇

  • アイルランド
  • アゾレス諸島
  • アンドラ
  • イギリス
  • イタリア
  • エストニア
  • オーストリア
  • オランダ
  • カナリア諸島
  • キプロス
  • ギリシャ
  • クロアチア
  • サンマリノ
  • スイス
  • スェーデン
  • スペイン
  • スペイン領北アフリカ
  • スロバキア
  • チェコ
  • デンマーク
  • ドイツ
  • トルコ
  • ノルウェー
  • バチカン
  • ハンガリー
  • フィンランド
  • フランス
  • ブルガリア
  • ベルギー
  • ポーランド
  • ポルトガル
  • マディラ諸島
  • モナコ
  • ラトビア
  • リトアニア
  • リヒテンシュタイン
  • ルーマニア
  • ルクセンブルク
  • ロシア
  • カザフスタン
  • アイスランド
  • ウクライナ
  • ジョージア
  • スロベニア

中南米 👇

  • 米領バージン諸島
  • プエルトリコ
  • ブラジル
  • ペルー
  • メキシコ
  • チリ
  • エクアドル

中東 👇

  • カタール
  • オマーン
  • イスラエル
  • ヨルダン
  • サウジアラビア
  • アラブ首長国連邦

アフリカ 👇

  • エジプト
  • モロッコ
  • 南アフリカ
  • レソト
  • ナイジェリア
  • ガーナ

テザリングも利用可能

補足情報として、海外ローミング利用時でもテザリング(インターネット共有)は通常通り使えます

自分もホテルのWiFiが不調だった時に、ahamoのテザリングを使ってパソコンで作業ができてかなり助かったことがあります。

ahamoの海外ローミング利用時の注意点

ここまでahamoの海外ローミングの料金面、そして利用方法と使えるエリアを解説しました。次は海外でahamoの利用を検討している方向けに注意点をいくつか挙げます。

1️⃣ 一回の旅行につき最長15日間しか使えない

ahamo公式サイトでは以下のように記載されています。

海外で最初にデータ通信を利用した日(日本時間)を起算日として15日経過後の日本時間0時以降に、海外では通信速度が送受信最大128kbpsとなります。本速度制限は、利用可能データ量を追加購入しても日本に帰国しデータ通信を行うまで解除されませんのでご注意ください。

これは他のブログなどでも間違った解説をしてるところもありますが、まとめると以下のようになります。

✅ 海外で使い始めた日から15日後までしか使えない(日本時間基準)

✅ まったく使わなかった日がもしあったとしてもそれは関係なく、使い始めた日から15日後までという計算(利用日合計15日ではない)

✅ 月をまたいでも15日のカウントは継続(月々最長15日間ではない)

✅ 日本に帰国しデータ通信を行うと、カウントがリセットされる

ということで、注意しなければならないのは、2週間以上(一度も帰国せずに)海外に渡航する場合です。

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15日経過後も128kbpsで使えることは使えますが、自分の経験上遅すぎて実質使い物になりません。(メールとか以外は)

2️⃣ 大盛りオプション(月100GB)に加入していても海外では月20GBまで

この点について、ahamo公式サイトでは以下のように記載があります。

大盛りオプション加入中の場合でも、海外での月間利用可能データ量は20GB

ということで、海外で使えるデータ容量は月に最大20GBまでです。大盛りオプションに加入しておらず、月20GBの場合は、実質的に国内でのデータ利用量と海外でのデータ利用量合わせて月20GBまでとなります。

もちろん月をまたげば新しく最大20GBまで使えます。

3️⃣ 音声通話やSMS送信は料金が発生する

ahamoの海外ローミングでは「データ通信」= インターネットが追加費用なしで使えます。が、電話番号を利用した通常の通話、そしてSMSの送信に関しては料金が発生します。

💡
SMSの受信は無料なので海外にいてもSMS認証用のメッセージなどは無料で受信できます。

通話の料金

海外では「かけ放題オプション」や「5分以内の国内通話無料」も対象外。音声通話に関しては発信はもちろん、着信にもお金がかかります。

海外で使う(電話・SMS) | ahamo
番号はいつものまま、海外200以上の国・地域で電話がいつでもかけられます。

料金は国によって異なりますが、例えばアメリカに滞在中に日本国内に電話をかけると1分当たり140円もかかりますし、着信はそれよりも高く1分175円もかかります。

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データ通信を利用した、いわゆるVoIPといわれるLINEやFacebookメッセンジャーなどを利用した電話については通話料金は発生しません。

ちなみに楽天モバイルなら楽天Linkアプリを使って無料で電話をかけることが可能。(一部の対象外の電話番号あり)

SMS送信の料金

SMS(ショートメッセージ)は受信は無料ですが、送信は1通につき100円かかります。

海外で使う(電話・SMS) | ahamo
番号はいつものまま、海外200以上の国・地域で電話がいつでもかけられます。

けっこう高いのでできれば海外で利用は避けたいところ。

ちなみにSMSについては海外ローミングのエリア外でも、世界200以上の国・地域で利用可能です。

海外で通話・SMSを月5万円以上使うと利用停止に

該当する利用者はかなり少ないかもしれませんが、海外で(VoIPではなく)通常の音声通話の発信・着信を多用する場合はここも注意点となります。

ahamo公式サイトの注意事項では以下のように記述があります。

海外での電話とSMSの月間利用額が5万円(利用停止目安額)を超過した場合、当月末まで海外データ通信の利用も停止します。利用可能データ量を追加しても解除はできません。

SMSについては受信は無料ですし送信もそこまで高額ではないですが、通話は発信着信両方かなり高額になる可能性もあるので、海外滞在時の長電話には注意が必要です。

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LINEやFacebook Messengerでの通話など、アプリを利用したVoIPを利用するようにしましょう。

4️⃣ ローミング通信なので日本から遠い国では通信の遅延に注意

海外で使う場合はローミング通信という通信方式となり、データ(パケット)が日本とその国との間を移動する物理的な距離が長くなるため、その分レスポンスが遅くなります。これについては、遅延(レイテンシー)が大きい、という言い方もします。

日本から近いアジア圏などではそこまでこのレイテンシーが顕著に体感に影響はしないと思いますが、北米、南米、ヨーロッパなど日本から距離がある地域で利用する場合は少し注意が必要です。

特にリアルタイム性が求められるアプリやサービスを利用する場合(例えばオンラインミーティングやオンラインゲーム)はワンテンポ遅くなる可能性が高いことは理解しておきましょう。

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ただし、このローミング通信では使用されるIPアドレスが日本のものであるため、意図しないフィルタリング(制限)がかかるといったことがあまりないというメリットも実はあります。海外からのアクセスをブロックしているサービスやサイトでも基本的に日本にいる時と同じように問題なくアクセスできることが多いです。

補足: 不具合発生時などのサポートは期待できない

ahamoはドコモ系列ということも大きく影響していると思いますが、海外で使っていて何かあっても基本カスタマーサポートはマニュアル通りの事しか返信しないですし、あまり頼りにならない印象です。

自分は以前、海外に滞在中にahamoのeSIMの再発行を試しましたが、本当にわかりにくく、チャットサポートも手続きの流れを理解していないのかろくに話も通じませんでした。

実際にアジア各国で使ってみた体験談

ここからは自分が実際にアジア圏の数カ国で実際にahamoの海外ローミングでインターネットを使ってみた内容をまとめています。

💡
2023年夏に使用しました。

マレーシア

首都クアラルンプールでahamoの海外ローミングを使ってみました。

空港に到着してすぐにデータローミングをオンにして、数十秒ですんなり繋がりました。

現地のネットワークはMaxisの4G

ahamoでMAXIS 4Gに接続中

スピードテストで実際の通信速度をチェック。左と中央がクアラルンプール中心地、右側がKLIAでの結果です。

ahamoのクアラルンプールでの通信速度

たまーにアップロードがかなり遅い時があるようですが、ダウンロードについてはほぼ問題なしで、快適と言えるレベル

遅延の度合いを表すPingは120ミリ秒前後。この値は日本とマレーシア間のローミング通信であれば標準値と言えるでしょう。(楽天モバイルだとこの数倍は出ます。)

実際使ってみた感覚としても、ローミング特有のラグもそこまで酷くなく、通信速度も予想以上だったので旅先での通常利用の範囲内であれば全く問題ないと感じました。

💡
パケ詰まりのようにうまくデータ通信ができない時が数回ありましたが、機内モードのオンオフで直りました。

シンガポール

*シンガポールは乗り継ぎに滞在しただけなのでチャンギ空港内のみの利用。

シンガポールでは空港到着後にデータローミングを有効にしてからインターネットが使えるようになるまで少し時間がかかりました。数分くらい待ったように思います。

シンガポールではSingtel 4Gに接続。

ahamoでSingtel 4Gに接続中

以下はチャンギ空港ターミナル1(左)と機内(右)で行ったスピードテストの結果です。

ahamoのチャンギ空港での通信速度

機内(離陸前)ではやや遅めでしたが、それでも普通に使えるレベルですし、空港内ではどこでも比較的速かったです。

Ping値についても許容範囲内。

今回はチャンギ空港内だけでの利用でしたが、シンガポールは国土が小さい国ですし通信インフラは良いと言えるので市内でも問題なく使えるはずです。

💡
このように乗り継ぎで訪れた国でも空港WiFiに依存することなくインターネットが使えるのはやはり便利ですね。

フィリピン

首都マニラではなくセブになりますが、数日滞在した際にahamoの海外ローミングにお世話になりました。

セブ空港に到着後、データローミングをオンで問題なくネット接続。

フィリピンではSmartの4Gに繋がります。

ahamoでSMART 4Gに接続中

フィリピンではSmartとGlobeが2大通信キャリアですが、たぶんそこまで大きな差はなく、現地の人に聞いても人によってはGlobeの方が電波が良いと言ったり、Smartの方がいいと言ったりまちまちでした。

参考までに、docomoではフィリピンでの対応ネットワークはSmartとGlobe両方載っていたのですが、Globeに手動でネットワークを切り替えても使えませんでした。

次に肝心の通信速度ですが、以下左からセブ空港、ITパーク周辺、そしてアヤラモールでのスピードテスト結果です。

ahamoのセブでの通信速度

Ping値は180ミリ秒前後とマレーシアやシンガポールと比べるとやや高め。(ただし楽天モバイルよりはマシ。)

速度はそこそこ安定していたように思います。普通に使えて遅い感じもありませんでした。

ただ、たまにめちゃくちゃ遅くなる、というかパケ詰まりのようにデータがほぼ使えない状況になることがありました。1分くらいで直ることがほとんどでしたが、それが若干不安材料かもしれません。

複数人で旅行する場合は、そのうちの一人はこの記事最後で紹介するahamo以外のプリペイドeSIMを準備していっても良いかもしれません。

補足1: 10日経過後と15日経過後にSMSで通知がくる

ahamoの海外ローミングを使い始めて10日が経過した時点で、あと5日で低速になるよ、というSMSが届きます。

10日経過後に届くSMS
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受信にはahamoの回線が有効になっている必要があります。海外でもSMSの受信は無料。iPhoneではahamoの回線が有効になっておればその回線を「デフォルトの音声回線」に設定していなくても受信できました。

そして次に15日が経過した時点で、通信速度が128kbpsに低下するよ、というSMSが届きます。

15日経過後に届くSMS

補足2: データ利用量チェックもahamoアプリから可能

日本国内での利用時と同様、海外でのデータ通信量もahamoのアプリから簡単に確認ができます。

下の画像の右側は利用開始から15日以上経ったため低速通信中(128kbps)になっているときのものです。

ahamo iOSアプリでのデータ残量確認

*尚、低速になると利用可能データ量を追加購入しても日本に帰国しデータ通信を行うまで通常速度には戻りません。

ahamoの海外ローミング以外の選択肢「旅行eSIM」

ここまで説明したように、ahamoの海外ローミングは月に最大20GBまで追加料金なしで使えるというかなり優れた選択肢で、ahamoをすでに契約している人は海外旅行時にこれを使わない手はないでしょう。

楽○モバイルのように近場のアジア圏でも極端に遅延が大きいということもなく、本家docomoの海外ローミングと同等のサービスを無料で、申し込みなど不要で利用できるのは非常に魅力的です。

ただ、「海外ローミング利用時の注意点」のセクションで紹介したような不安要素(デメリット)もありますし、自分が実際に海外で経験したようにたまに一時的に速度が著しく遅くなる(というかほぼ使えない)現象も起こり得るので、プランBを考えておくことも大切です。

以前までは現地でSIMカードを購入したり、WiFiレンタルが一般的でしたが、最近人気が出てきているのはプリペイドタイプの「旅行eSIM」(トラベルeSIM)。

旅行eSIMは、

✅ 日本で事前に購入でき、すぐ届く

✅ WiFiルーターや日本のSIMを失くす心配がない

✅ 選択肢が豊富で試しやすい

といったメリットがあり、便利ということで海外旅行者の中で急速に人気が高まっています。

旅行eSIMはコロナ禍があけてからかなり種類も増え、値段も下がっているので、もしahamoはまだ契約しておらず(乗り換え)検討段階、あるいはahamoをメインで使う予定だけど何かあった時のバックアップを考えておきたい、という方には旅行eSIMがオススメです。

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