G+D Mobile Security、Orange向けにeSIM管理サービスを提供
Giesecke + Devrientグループ傘下でドイツのミュンヘンに本社を置くG+D Mobile Security社が、世界的大手通信会社Orangeへのコンシューマー向けeSIM管理サービスの提供を公式サイトで発表しました。
Giesecke + Devrientグループ傘下でドイツのミュンヘンに本社を置くG+D Mobile Security社が、世界的大手通信会社Orangeへのコンシューマー向けeSIM管理サービスの提供を公式サイトで発表しました。すでに2018年5月から欧州の複数のOrangeグループ会社を通じて段階的にサービスが開始されているということです。先日ブログにも書いた、ポーランドでのOrange PolskaのeSIM提供開始も、このG+D Mobile Securityの管理サービスを使っている可能性が高そうです。
G+D Mobile Security社はモバイルセキュリティー技術を専門としており、彼らのeSIM管理プラットフォームはセキュアでシームレスなデジタルアイデンティティー(ここではモバイル契約者情報)の管理を可能にすると説明しています。キャリアユニークなクレデンシャルをOTAによってセキュアに提供することを得意としており、既に数百万個のeSIM用プロファイルの送信・提供実績があります。また、G+D Mobile Security社は2017年にMicrosoftとWindows 10向けeSIMでパートナーシップを組んだ他、Project Fi(現在のGoogle Fi)のパートナーにも選ばれています。同社は以前から自動車向けやスマートウォッチ向けにeSIM管理サービスを提供しており、昨年からはスマートフォン市場により一層力を入れているようです。
事実、彼らのウェブサイトにはeSIM Managementでナンバー1という表記があります。ソースは定かではありませんが、eSIM管理という分野では業界最大手ということでしょう。また、管理されているSIMカード(物理SIMと思われます)は80ヶ国で29億枚、自動車メーカートップ10社のうち9社が同社のソリューションを使っているとも書かれています。
Orangeはグループ全体で2018年6月現在、1億9900万のモバイル回線契約者を持っており、28ヶ国で事業を展開しています。特に欧州で大きなシェアを持っているOrangeが今後コンシューマー向けのeSIMサービス提供を加速させくると、ヨーロッパ全体にとっても面白い流れとなりそうです。Orangeの拠点であるフランスではなくまず子会社を通じて欧州のその他の国からサービスを開始しているということで、まずは契約者の規模的に大きくない市場から実験的に導入し、そこから契約者数の多い国に広げていく形になりそうです。ただ、顧客の囲い込みが難しくなるという観点から、基本的にMNOはeSIMに関しては消極的という味方が一般的ですが、最近のヨーロッパやアメリカの動きを見ていると、もうそれどころではない、といった感じでしょうか。