eSIMインストール時、QRコードをスキャンできない時の対処法【手動入力の方法】

eSIMプロファイルのインストール方法はモバイルアプリから直接行えるタイプと、QRコードを読み取るタイプの2種類があります。

eSIMインストール時、QRコードをスキャンできない時の対処法【手動入力の方法】

✍️ 2023年10月追記:

iPhoneについてはアクティベーションコードを使う方法として、以下に最新の情報を整理しました。また、iOS 17から利用可能となったQRコードを写真から読み込む方法についても触れています。

手動入力でeSIMをiPhoneにインストールする方法【アクティベーションコードを使う】
SM-DP+アドレスとアクティベーションコードを使ったeSIMの追加方法の解説。

eSIMプロファイルのインストール方法はモバイルアプリから直接行えるタイプと、QRコードを読み取るタイプの2種類があります。

モバイルアプリから直接インストールできるタイプは現在のところiPhoneのみで、Appleが許可したプロバイダーのみその機能をモバイルアプリに実装できます。それ以外の場合は全てQRコードを用いることになりますが、コードをスキャンする端末とは別にQRコードを表示させるディスプレイ用端末が必ず必要になります。もし手元に端末が1台しかない場合は、QRコードをスキャンすることができません。出国前に空港でインストールする必要があったり、そもそもスマートフォン以外の端末を持っていない方などはこのケースにハマる可能性があります。

AppleやGoogleももちろんそれを踏まえて他の方法をあらかじめ用意してくれており、それが「手動での入力」方法です。

今回はiPhone XSとPixel 3a(米国版)で実際の画面を紹介します。

iPhoneの場合(iOS)

iOSバージョン 12.2 の場合です。

設定画面から モバイル通信 --> モバイル通信プランを追加 と進み、QRコードのスキャン画面を表示させると、画面下に「詳細情報を手動で入力」という部分があるので、そこをタップします。

するとこのようにアクティベーションコードを入力する画面が表示されます。

実際にはSM-DP+アドレスとアクティベーションコードの2つの入力が必要になります。3つ目の確認コードは基本不要で、通信事業者から提供されている場合にのみ入力が必要です。

SM-DP+アドレスとアクティベーションコードはQRコードが送られてくるメールに記載されているはずです。が、私の記憶では3香港(Three HK)はQRコードだけでしたので、万が一記載がない場合は通信事業者に問い合わせるか、QRコード解析ツールを使って、中身を読解する必要があります。

SM-DP+ Addressは xxxxx.com のような一般的なURL構造になっており、アクティベーションコードは 1X-XXXXX-XXXXXXX や XXXXXXXXXXXXXXXX のような数字とローマ字の羅列で16文字程度になっているはずです。

両方記載されているメールからコピペで貼り付けるのが一番早いかと思います。

iPhoneでの画面を紹介しましたが、eSIMに対応しているiPadでも同じです。

Pixel 3aの場合(Android)

Pixelに限らず、eSIMを搭載しているAndroid端末であればほとんど同じ流れだと思います。

今回はAndroid 9 Pieの場合です。

iPhoneと同様、QRコードのスキャン画面で「手動でコードを入力」という箇所があるのでそこをタップすると、コード入力画面が表示されます。

Pixel 3a、というかAndroidの場合はiOSのように、SM-DP+アドレスとアクティベーションコードのように別れておらず、一つのコードを入力する形式です。

通常eSIMプロファイルインストール用のQRコードを解析すると、以下のような情報が入っています。

LPA:1$<SM-DP+アドレス>$<アクティベーションコード>

まだ検証はしていませんが、おそらくSM-DP+アドレスとアクティベーションコードを合わせたこちらのコード形式を入力する必要があるのかもしれません。

これについては検証次第、どのコードを入力する必要があるのかを追記したいと思います。

(AndroidのeSIM周りはやはりまだまだベータ感が強く、iOSに比べてわかりにくいです。)


補足情報

通信事業者から送られてくるQRコードは、簡単に言えばインストールするeSIMプロファイルの(インターネット上の)場所を指定しているもので、QRコードから読み取られるものはあくまでその場所の情報を持った文字列です。なのでQRコードをスキャンするのも(キーボードを使って)手動で入力するのも、やってることは同じ、という仕組みです。

とはいってもQRコードの読み取りの方が圧倒的に楽なのは間違いないので、今後はOSのアップデートで端末一台だけでもメールなどで届いたQRコードの中身を読み取ってくれるようになれば嬉しいです。(技術的には全然できるはず。)

今回でてきたSM-DP+というものですが、これは Subscription Manager - Data Preparation + というサーバーで、eSIMプロファイルの保管や管理などを行っています。GSMA準拠のeSIMの場合、このSM-DP+はしっかりとしたセキュリティー基準をクリアし認められた事業者のみが提供を許されています。

GSMAの標準化仕様に準拠したeSIMに関しては、eSIM Whitepaperを要約した記事を以前書いているので、興味がある方はぜひそちらを参照してください。