モトローラの新型RazrはeSIMオンリーの折りたたみスマホ
モトローラの新型razrは物理SIMトレイのないeSIMのみのAndroid端末です。
米Motorolaが2019年11月に発表した最新のrazr(レイザー)はディスプレイを折りたたむことができるFoldableスタイルのスマートフォンとして注目を集めています。
SamsungのGalaxy Foldは横方向に開くタイプですが、Motorolaの新型razrは2000年代に人気だった初代Razr「V3」と同じく縦方向に開くタイプ。
Galaxy Foldは開くとタブレットにもなるスマートフォンという位置付けですが、razrは開いてもスマートフォンサイズというのが大きな違いと言えます。
ディスプレイサイズは外側の小さい方が2.7インチで縦横比4:3、メインの内側の方が6.2インチで縦横比21:9となっています。
さてこの新型razrですが、折りたたみディスプレイを搭載したAndroid端末というだけではなく、eSIMオンリーという点も特徴的で、なかなか近未来的と言えます。
以下がrazrの公式ページに記載されているスペックになります。
ConnectivityのセクションにあるSIM Cardの項目には「eSim」とだけ記載があり、nano SIMなどの記載は一切ありません。
現在一般販売されているスマートフォンでeSIMオンリーというものはまだないので、このモトローラのrazrが初となりそうです。
eSIMのみに至った経緯などはわかりませんが、折りたたむと手のひらに収まるほどのコンパクトなサイズなため、物理SIM用のトレイは構造的に難しかったのかもしれません。
いずれにせよ、かなり大胆な決断と言えます。
このeSIM、現時点ではGSMA準拠かどうかがまだわかっていません。GSMA準拠であれば様々なeSIMプロファイルを追加して使用できますが、そうでなければ端末を購入したキャリアにロックされてしまうことになります。
新型razrは12月26日にアメリカで予約注文が開始され、発売は2020年1月となる予定ですが、まずはベライゾンのみが販売するようです。その他イギリスなどでも発売が予定されていますが、日本は未定。
気になる価格ですが、アメリカでは$1500と日本円で約16万円強。Galaxy Foldと比較すれば安いですが、新型iPhoneよりも高価。スペック的に考えると割高感があり、やはり折りたたみ式ディスプレイという部分の付加価値が価格に反映されているといった値付けです。
ひと昔前に人気を博したRazrの復刻版、そして折りたたみスタイルということで、特にアメリカでは$1500という価格でも一定の需要はあるのかもしれません。
結局のところrazrという機種(ブランド)、そして折りたたみディスプレイにどれだけの価値を置くかという各々の判断にはなってきますが、カメラを含めたスペック的な面からだとeSIM対応のAndroid端末ではPixel 4の方が安いですし魅力的という意見も多く出るはずです。
いずれにせよ日本での発売はまだ未定ですし、もし海外から輸入するとしてもGSMAスタンダードなeSIMなのかという点、そしてBand対応をしっかり確認する必要があります。
余談ですが、現在モトローラと一般に呼ばれているのは正確には「モトローラ・モビリティ」という会社で、旧モトローラ社が2011年に分割されてできた携帯端末メーカーです。
2011年にGoogleが買収しましたが、その後2014年に特許(の大部分)以外を中国のPC製造大手レノボに売却したため、現在は中国レノボグループの傘下となっています。