TelnaがeSIMをリリース、海外旅行者向けデータプランの提供予定も

TelnaのeSIMはバルセロナで行われていたMWC 2019で発表されたもので、現地ではMWC 2019期間限定のeSIM(プロファイル)を参加者に提供していたようです。

TelnaがeSIMをリリース、海外旅行者向けデータプランの提供予定も

Telnaの正式名称は Telecom North America で、米国ネバダ州に本社を置く未上場のネットワークサービス(NaaS: Network-as-a-Service)提供企業です。Wikipediaには載っていませんが、2016年にカナダのトロントを本拠とする通信スタートアップKnowRoamingが買収したようで、現在その子会社となっています。

KnowRoamingは2013年に世界初となる貼るタイプのステッカー型SIMを開発し、200ヶ国以上で利用できる低価格なローミング通信サービスを実現。現在は物理SIMやモバイルWiFiルーターなどの商品も提供しています。

ただし、KnowRoamingの公式サイトであったであろう knowroaming.com というドメインにアクセスすると、Telnaの公式サイトのサブディレクトリー(knowroaming.telna.com)にリダイレクトがかかりますし、サイトをみる限り、現在はどちらかというとKnowRoamingよりもTelnaブランドをメインで使用し、ビジネスを展開しているようです。

さて、そのTelnaですがコンシューマー向けだけでなくIoT/M2M向けにも様々なソリューションを展開しており、Global Connectivity Platform というポジショニングを掲げています。

TelnaのeSIMは先日までバルセロナで行われていたMWC 2019で発表されたもので、現地ではMWC 2019期間限定のeSIM(プロファイル)を参加者に提供していたようです。

今回実際にeSIM自体は発表されたものの、Telnaのサイトでは現在のところデータプランの購入ができず、Coming Soon! となっています。

したがってどのようなデータプランが提供されるのか現時点ではわかりませんが、エリアとしては200ヶ国以上で使えるようで、KnowRoamingのWebページのエリアと同じになる可能性が高いです。ちなみに日本もしっかり入っています。MWC限定のeSIMプロファイルは動いていたようですので、近日中にデータプランの購入もできるようになるはずです。


旅行者向けのデータプラン展開が気になるところ

今回のTelnaのeSIMに関しては公式サイトの文言に travel plans と記載があるので、旅行者や短期滞在者向けのプリペイドプランが提供されるのはほぼ間違いありませんが、データ容量や料金など具体的な内容がやはり一番気になるところです。Telnaは様々なキャリアと独自のローミング契約を結んで料金を抑えているようなニュアンスがサイトから伝わってくるため、現在複数ヶ国で利用できるeSIMサービスを展開するUbigiやMTX Connect以上に魅力的な価格帯でデータプランを提供してくることに期待です。

日本のApp Storeで確認する限りではTelnaのモバイルアプリは現状見当たりません。データ残量確認やチャージがWeb経由になるのか、専用のアプリがリリースされるのかも気になります。尚、KnowRoamingについてはモバイルアプリが提供されており、また最新のバージョン5.7.0でeSIM対応と表記されていることから、もしかするとKnowRoamingブランドやKnowRoamingのアプリで使用できるeSIMになる可能性もありそうです。

また、多くの日本人旅行者にとってはアジアでのデータ料金が重要になります。ヨーロッパはすでに比較的低価格で利用できるeSIMデータプランがUbigiやMTX Connectからでていますが、アジアだと3香港のeSIM一択といった状況です。3香港のeSIMのコスパは圧倒的ですが、1日500MBを超えると低速になるのが厄介なところ。これよりももう少し一日のデータ容量が大きく、価格も抑えたデータプランがTelnaから出ることを(可能性は低いかもしれませんが)期待します。

ちなみにTelnaのeSIMはコンシューマー向けだけではなく、IoT/M2Mにも利用できます。