グローバルWiFiの「ワールドeSIM」のサービス内容とコスパを考察(かなり割高な印象)

世界120ヶ国以上でデータ通信が利用できる World eSIM のサービス特徴や他のeSIMと比較した場合の費用感をまとめました。

グローバルWiFiの「ワールドeSIM」のサービス内容とコスパを考察(かなり割高な印象)
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この記事は2021年10月執筆時点での情報を元にしています。

2021年9月にグローバルWiFiを運営する株式会社ビジョンが提供を開始した、World eSIM というeSIM通信サービスの特徴や気になった点をまとめました。

【公式】海外での次世代通信ワールドeSIM
海外での次世代通信ワールドeSIM。オンライン上とスマホ内の設定のみで世界120ヶ国以上で通信出来るようになります。空港での受取や返却も不要なため海外渡航時の荷物も増えません。設定、切り替えも簡単。海外でのインターネット利用はワールドeSIM。

尚、World eSIM はデータ専用eSIMで、音声通話やSMSは利用できません。

ワールドeSIMの特徴

ここでは一般的なeSIMの特徴には言及せず、他のeSIMと比較した場合の World eSIM の特徴(良い点悪い点両方)を挙げています。

世界120ヶ国以上で利用可能

World eSIM公式サイトより

アジア、オセアニア、中東、北米、南米、ヨーロッパ、アフリカの多くの国をカバーしており、カバレッジに関しては非常に良い印象です。

初期費用がかかる

初期費用として、700円 + 税が必要になります。これは他のeSIMと比較しても珍しいです。

最初から World eSIM 決め打ちで定期的 or 長期的に使う場合以外はややこのコストは気になるところ。

料金は一日当たりの費用 x 使用日数

World eSIM公式サイトより

World eSIM は一般的な「〇〇日間で〇GB使える」といったようなプリペイド型のデータプランとは異なり、一日当たりの料金がデータ容量別に計3つ設定されており、それに使用日数をかけた金額がトータルの費用となります。

現在のところ、500MB/日、1GB/日、3GB/日の3種類が用意されています。仕事に使用しない普通の旅行であれば、動画をたくさん見ない限り500MB/日でも問題なさそうですが、1GB/日あれば安心、といったところでしょうか。WiFiがなかったり、仕事でがっつり使う場合は1GB/日でも足りないかもしれません。

注意点としては、

  • 時刻は日本時間基準(海外にいても日本時間で1日が計算される)
  • 1日に利用可能な通信容量を超過した場合、通信停止となる(低速ではなく)

といった点です。

利用には3日前までの申込みが必要

こちらも他のeSIM通信サービスと比較しても非常に珍しい点ですが、利用開始日の3日前の15時までにウェブから申込みを行う必要があるようです。

World eSIM公式サイトFAQより

海外旅行は通常3日以上前から計画していることがほとんどだと思うので、事前準備として考えれば大きな問題はないのかもしれませんが、万が一の旅行キャンセルやフライト変更、現地で急に必要になった場合など、利用できない、あるいは利用しにくいケースもありそうです。

データ使用量の確認は通知メール

FAQを見る限りでは、Webポータルやモバイルアプリからリアルタイムのデータ残量をチェックすることはできないようです。

World eSIM公式サイトFAQより

はたしてワールドeSIMのコスパは良いのか

ここまでは World eSIM のサービス内容の特徴を挙げましたが、ここからは実際の料金を他のeSIMサービスと比較して、検証してみたいと思います。

World eSIM の料金プランは以下のWebページにすべて記載されています。

料金プラン|海外での次世代通信ワールドeSIM
ワールドeSIMの料金プランページです。1日単位の料金プランとなり、ご利用される容量に応じて料金が異なります。複数の国でご利用出来るお得な周遊プランもご用意しております。

アメリカ(ハワイ含む)に5日滞在する場合

アメリカ本土に5泊7日の出張をしたり、家族で夏休みにハワイに行くというようなケース。

World eSIM料金ページより

アメリカ本土、ハワイともに500MB/日が1,270円、1GB/日が1,470円、3GB/日が2,570円です。

1GB/日が気持ち安心ですが、ここでは一番安い500MB/日を選択したとすると、合計金額は以下のようになりました。

World eSIM公式サイトより

一日500MBまでの利用を5日間で7,120円。一日当たり1,400円ちょっとです。

ここで比較のため eSIMDB でアメリカで使えるeSIMをみてみると、例えば Airalo は 最大30日間利用できる3GBプランがたった11ドル、約1200円ちょっとと World eSIM の5分の1以下の金額です。

あるいは GlobaleSIM というプロバイダーの場合は、3GB / 14 days のプランが9.5ドルとさらに安く、かつオプションで現地の電話番号も利用することができます。

もちろんこれらのプロバイダーは日本語ではなく英語でのサービス提供にはなりますが、価格の差は歴然です。

ヨーロッパに10日間滞在する場合

ヨーロッパでは複数の国を訪れることが多いと思うので、ヨーロッパ周遊プランで比較します。

World eSIM料金ページより

World eSIM では欧州主要37ヶ国はヨーロッパ①というプランが利用できます。その他アルバニアやモナコ、モンテネグロなどはヨーロッパ②になり、単価が少し上がります。

ここではヨーロッパ①で、一番安い500MB/日を選択してみたところ、合計金額は以下のようになりました。

World eSIM公式サイトより

一日500MBまでの利用を10日間で15,470円。一日当たり1,500円強です。

ここで比較のため eSIMDB でヨーロッパで利用できるeSIMをみてみます。ヨーロッパでも Airalo はとても安く、最大30日間利用できる5GBプラン(Eurolink - 5GB)が20ドルなので、2,200円程度。World eSIM の7分の1ほどの値段です。

他にも MOGO eSIM というサービスでも5GBプランが20ドルを切る価格で提供されています。そしてMOGO eSIM は頻繁にプロモーションも行っており、データ容量が追加でももらえたり、割引価格で購入できたりする場合もあります。

アメリカの場合と同様、ヨーロッパでもやはりWorld eSIM は他eSIMと比較するとかなり割高感があります。

バリ(インドネシア)に4日間滞在する場合

アジアのリゾート地として日本人に人気のバリ島。World eSIM では一日あたり970円〜1,970円という価格設定です。

World eSIM料金ページより

今回はバリ滞在中はホテルステイがメインでWiFiが利用できるという設定で、一番安い500MB/日で合計金額を算出すると、このようになりました。

World eSIM公式サイトより

合計4,650円、一日当たり1,100円程度です。

ここでまた比較のために eSIMDB でインドネシアで使えるeSIMを調べてみると、ここでも Airalo は3GBプランがお手頃の11ドルでありますし、価格勝負でいくと TraveleSIM というサービスは Airalo よりもさらに安いプランがあります。

結果インドネシアでも World eSIM は他のeSIMと比較して数倍の価格設定といった感じです。


個人的感想

World eSIM は対応国が多かったり、日本語でカスタマーサポートが受けれるというメリットは感じられるものの、初期費用がかかったり3日前までの申込みが必要という点、そしてWebアプリやモバイルアプリが現状ないといった短所が気になります。

そして個人的にはそもそもそういったこと以前に、料金が非常に高いという印象を受けました。

試しやすい価格帯で、気になるeSIMサービスであればどんどん個人的にもトライしていきたいと思ってはいますが、現状 World eSIM については選択肢には入らない、というか手が出しにくいといったところです。今後料金面やサービス内容が改善されることに期待。