毎月10GBのデータが1年間無料で使えるXiaomiのMi Playにみる端末メーカーの通信付加の可能性

昨年のクリスマシーズンに中国のデバイスメーカー Xiaomi（小米）が新しいスマートフォン Mi Play を発表しました。現在中国では店頭およびオンランですでに購入できます。

Mi Playの価格は1,099元、日本円でおよそ1万8000円程度。5.84インチの液晶画面で、ノッチはほぼ内側カメラだけの非常に小さいタイプになっています。

プロセッサーはMediatek MT6765 Helio P35 (12nm)、メモリ4GB、ストレージが64GBで、ゲーム向け端末としても宣伝しているようです。（Mi Play のフルスペックはGSMArenaを参照してください。）

Mi Playにはさらに中国国内で使える月10GBのデータが1年間分付いてきます。端末のスペックに加えこの無料のデータ容量を考えると2万円弱の価格はかなり良いコスパではないでしょうか。

Xiaomiは中国国内ではMi Mobileという名でMVNOとして通信事業も行っており、このため低価格で国内のデータプランをバンドルすることができます。

また、海外向けにもXiaomiは様々な通信事業者と契約し、Mi Roamingというローミングサービスを提供しています。これによりXiaomiユーザーは海外でも非常に安価なデータを利用することができます。

尚、Mi PlayにはGSMA準拠のeSIMは搭載されていないため、ユーザーがXiaomi以外のキャリアを使いたい時は従来のように物理SIMが必要となります。（Mi PlayはデュアルSIM端末のようです。）

Xiaomiのような端末メーカーによる通信サービス付加の今後

上記のように現在、シャオミは端末メーカーであるものの、付加価値として通信サービスも提供しています。アメリカではGoogleが Google Fi（旧Project Fi）で同様の端末 + 回線のセット提供を行っています。Appleはまだ各キャリアとの関係をある意味重視した立場で自らが通信を提供するポジションには至っていませんが、2015年にはAppleのMVNOサービス参入の噂も出ています。

果たして将来的にシャオミ以外の端末メーカーが通信も提供する時代が来るのでしょうか。少なくとも中国とそれ以外の地域でれぞれで状況や可能性は異なりそうです。中国ではシャオミ以外にもVIVO、OPPOなど低価格なスマートフォンメーカーが多く、低価格の割にスペックもよく、国産ということで人気も高いです。そして今後どんどん端末 + 通信という選択肢が増えてくる可能性はあります。

世界で見ると地域差はあれどスマートフォンメーカーでは上記の中国メーカー以外ではサムスン、Appleがやはりシェアが高いです。両社は依然として端末の販売をキャリアに依存する部分が大きく、通信を自ら提供するというのはメリットよりもデメリットがどうしても大きくなってくるかと思います。

ただし、シャオミ、VIVO、OPPO、など端末販売をキャリアに過度に依存していない中国メーカーが各国のMVNOなどと組んで今回のような端末 + 回線というパッケージを出してくる、ハイブリッドのような可能性は少なからずあるでしょう。もしこういった事例が日本でも実際に出始めると、業界が少し面白くなるような気はします。例えばテレビCMなどの様々な広告を打っている（いた）mineoやLINEモバイル、楽天モバイルなどに変わって、端末メーカーのOPPOやVIVOが今後日本でmineo回線やLINEモバイル、楽天モバイルの月3GBデータを1年間使える端末 + 通信のセットを始める、なんてことがあるかもしれません。

尚、日本のメジャーなスマホメーカーと言えばエクスペリアのソニー、アローズの富士通、アクオスのシャープくらいですが、彼らの端末販売はほぼ100%キャリア依存といった感じかと思うので、通信をバンドルしてくる可能性は非常に少ないように思われます。

eSIMによって通信の契約や切り替えがより自由に

今後端末とキャリア（ネットワーク）を選ぶ基準や順番が変わってくるかもしれませんが、いずれにせよ物理的なSIMカードを必要とせずインターネット（リモート）で契約や切り替えが完結するeSIMは非常に便利です。端末さえ手元に用意しておれば、SIMカードが届くのを待つ必要も、店頭まで行く必要もなく、オンラインから数クリックで通信の契約をすることができます。