カンボジア旅行にオススメのeSIM 5つを徹底検証しました【プノンペン & シェムリアップ】
カンボジア旅行者向けプリペイドeSIMを現地で実際にテストしたまとめ。
タイやマレーシアなどの人気国ほど旅行者が多くなく、アジアの中では幾分ゆっくりしているカンボジア。アメリカドルベースなのがやや日本人には痛手ですがそれでも物価はさほど高くないため長期滞在にも適しています。
この記事では首都プノンペンと、アンコールワットで有名なシェムリアップの2都市で旅行eSIM(旅行者向けプリペイドeSIM)を実際に使ってみた内容をまとめました。
利用したeSIMは以下の5つ。
- Airalo(プノンペンで利用)
- MOGO eSIM(プノンペンで利用)
- ソラコムモバイル(プノンペンで利用)
- eSIM4Travel(シェムリアップで利用)
- GIGAGO(シェムリアップで利用)
*今回使用した端末はiPhoneですが、ソラコムモバイル以外はAndroid端末でも利用可能です。
カンボジアで使える旅行者向けeSIMはこの5つ以外にも多数あります。また、次々と新しいeSIMが出てきたり、料金も頻繁に変更されるので、実際検討する際はぜひ eSIMDB でチェックしてみてください。
尚、今回試した5つのeSIMは全てデータ専用です。現地の電話番号は付属しません。
Airalo
旅行者向けeSIM人気トップと言っても差し支えないであろうAiralo。ウェブサイトもモバイルアプリも洗練されていて、使い勝手とコスパの総合力が高いです。
日本語にも対応しているのも地味に嬉しいところ。以下公式サイトです↓。
Airaloのカンボジアプランの料金や購入方法など
Airaloのカンボジア向けのeSIMは Connect Cambodia という名前がつけられており、執筆時点では以下6つのデータプランが提供されています。
データ容量 | 有効期限 | 価格 | GB単価 |
---|---|---|---|
1GB | 7日 | $4.5 | $4.5 |
2GB | 15日 | $7 | $3.5 |
3GB | 30日 | $9.5 | $3.2 |
5GB | 30日 | $13 | $2.6 |
10GB | 30日 | $21 | $2.1 |
20GB | 30日 | $32 | $1.6 |
今回自分は複数のeSIMを試す前提でいたので1GBプランを購入しましたが、GB単価的には5GBプラン以上が狙いどころでしょう。
15%割引プロモコード「ESIMDB15」を使うと5GBプランが12ドル弱、10GBプランが19ドル弱まで下がります。短い滞在でも5GBくらいあると安心。
尚、AiraloのeSIMの購入方法やインストール方法は以下の記事にまとめていますので、初めて購入する場合は参考にしてみてください。
iPhoneの場合、QRコード不要でアプリから直接eSIMをインストールすることができるので簡単です。
Airalo eSIM のプノンペンでの通信品質
*検証時期: 2023年7月
プノンペン国際空港に到着後、インストールしておいたAiraloのeSIMを「モバイルデータ通信」に設定し、データローミングをオンにするだけで、すぐにインターネットに繋がりました。(数十秒待てばだいたい繋がるはずです。)
現地での接続先キャリアは Smart で 4G を掴んでいました。
電波状況についてはだいたい問題ないのですが、たまに圏外になるスポットがあったり、電波は立ってるのにデータが詰まることが何度かありました。感覚的には一日数回程度。
カンボジアではSmart、cellcard、そしてベトナム資本のMetfoneが大手キャリアになりますが、プノンペンに限って言えばSmartかcellcardが無難な選択肢みたいです。両者大差はないようで、どちらも弱いエリアがあるみたいです。なので日本みたいにdocomoでもauでも街中はどこでも繋がる、みたいな絶対的な安心感はないです。
そして地方に行けばMetfoneの方が電波が良い場合が多いようです。
通信速度
以下、左から順にプノンペン国際空港、BKK1周辺、そしてワット・プノン周辺で行ったスピードテストの結果です。
全体的にそこそこ悪くない数値が出ていました。ただ、去年使った時はこれより速かった気がするのですが、気のせいかもしれません。
こちらのeSIMはシンガポール経由のローミングということで、Pingは60〜80ミリ秒程度。これはローミング通信の中では比較的マシな方で、体感としてもさほど遅延は感じませんでした。
(楽天モバイルなんかはこれの何倍も大きい遅延が出ます。)
速度的には安定していたのですが、やはりたまに圏外になったりデータが詰まることがあったのが少し残念でした。現地の方に聞くとSmartでもcellcardでも発生することらしいので、現地通信インフラ側の問題なんだと思います。
尚、Airaloはモバイルアプリからデータ残量のチェックや追加のデータ購入もできるので安心です。
ちなみにインターネット共有(テザリング)も問題なく使えました。ホテルのWiFiが全然使えなかったとき、役立ちました。
まとめ
Airaloは過去に何度か使ったことがありますが、今回のカンボジアでもほぼ期待通りといった印象。
めちゃくちゃ安いというわけではないですが、日本で事前購入もできてインストールも簡単なので、観光など短期滞在だと活躍するはずです。
シンガポール経由のローミングで、カンボジアでのローミング先が Smart ということについて特に問題ないのであれば、コスパ・通信速度ともにそこそこ満足できるeSIMだと思います。
15%OFF割引コード「ESIMDB15」のご利用もお忘れなく。*2025年以降は「ESIMDB10」で10%オフ。
MOGO eSIM
MOGO eSIMも安価なデータプランが多い、旅行者向けプリペイドeSIMサービスの一つです。
残念ながら日本語には未対応ですが、ウェブサイトからの購入は比較的簡単です。
カンボジアプランの料金
*執筆時点での情報です。
MOGO eSIMのカンボジアで利用できるデータプランは全部で5つ。
データ容量 | 有効期限 | 価格 | GB単価 |
---|---|---|---|
1GB | 15日 | $2 | $2 |
3GB | 10日 | $6 | $2 |
5GB | 30日 | $9.9 | $2 |
10GB | 60日 | $19.9 | $2 |
30GB | 30日 | $49.9 | $1.67 |
MOGO eSIMは頻繁にセール価格で販売されているプランがあるのと、1GBなどの少量データプランがお得なのが特徴です。
上の表のGB単価をみていただければわかる通り、普通はデータ容量が大きくなるにつれてコスパが良くなるのが一般的ですが、MOGO eSIMはどのプランでもあまり変わらず。なので1GBや3GBなどのちょっとでいい方には向いているかもしれません。
MOGO eSIM のプノンペンでの通信品質
*検証時期: 2023年7月
現地での設定方法はAiraloと同じく、データローミングを有効にし、モバイルデータ通信に割り当てるだけです。
通信ができるようになるまで1分超、やや時間がかかりました。
AiraloはSmartでしたが、MOGO eSIMの接続先はcellcard。常時4Gの表示でした。
9割以上の場合電波は立ってましたが、やはりSmart同様たまに圏外になったりデータ通信が通らないことがありました。もうこればかりは仕方ないですね。(今回複数のeSIMを使ってデュアルeSIMだったので助かりましたが。)
ちなみにこういった電波状況に問題があるときは、フライトモードをON -> OFFとすると直る時もあります。
通信速度
以下がMOGO eSIMでのスピードテストでの結果です。左からBKK1周辺、ワット・プノン周辺、そしてプノンペン国際空港内です。
基本的にはAiraloと同様、旅行eSIMにしてはそこそこの速度が出ていました。が、Pingの値が300ミリ秒超とAiraloと比較するとやや大きめ。
だいたいどこでも問題なくインターネットは利用できましたが、たまーにTwitterの画像や動画の読み込みが遅くなる時がありました。
まとめ
MOGO eSIMはセール価格になっているプランがあるか、まずチェックするのが良いと思います。
パフォーマンス的にはAiraloと同様か、遅延の大きさでやや劣る印象。なので料金で十分な差があるようであればMOGO eSIMを選択するのはアリなような気がします。料金で大差ないのであれば、Airaloの方が安牌でしょう。
ソラコムモバイル
日本のIoT/通信系スタートアップのソラコム社が展開する旅行者向けeSIMサービス「ソラコムモバイル」。
以前まではアジアでの料金はやや割高感がありましたが、2023年3月に全体的に料金が下がってより魅力的になりました。
やはりKDDI傘下の日本企業が提供する安心感と、何かあっても日本語でサポートが受けられることが大きなメリット。
*現在 iPhone / iPad でのみ利用可能。
カンボジア向けの料金や購入方法など
公式サイトの料金ページに記載がある通り、カンボジア向けのデータプランは以下の4つ。
データ容量 | 有効期限 | 価格 | GB単価 |
---|---|---|---|
1GB | 30日 | $5.89 | $5.89 |
3GB | 30日 | $16.49 | $5.5 |
5GB | 30日 | $26.99 | $5.4 |
10GB | 30日 | $52.99 | $5.3 |
コスパという面では他のeSIMに劣るのが正直なところ。ここは今後値下げされることに期待。
購入方法やインストール方法については以下の記事にまとめているので、こちらをご参照ください👇
ソラコムモバイルはアプリ完結型のサービスで、非常にスムーズに購入からeSIMインストールまでができるので、eSIMに慣れていない方には特にオススメできます。
ソラコムモバイルのプノンペンでの通信品質
*検証時期: 2023年7月
ソラコムモバイルはAiraloやMOGO eSIMのようにデータローミング設定をする必要はなく、インストールしたeSIM(モバイル通信プラン)を「モバイルデータ通信」に設定するだけで、すぐにインターネットに繋がります。たった3タップで完了です。
購入からeSIMインストールまでも一気通貫で1, 2分あれば完了、現地に着いたらすぐにネットに繋がるこの体感は、物理SIMを買って元のSIMと差し替えて、設定して...というこれまでの工程と比較するとめちゃくちゃスムーズに感じますね。
ソラコムモバイルもMOGO eSIM同様、カンボジアでのローミング先は cellcard です。
電波状況やパケ詰まりが稀にあるのはMOGO eSIM同様。ただほとんどの場合は問題なく電波も入りますし、データ通信も通ります。
通信速度
そしてスピードテストの結果が以下の通り。左からBKK1周辺、ワット・プノン周辺、そしてプノンペン国際空港内です。
ソラコムモバイルは以前ベトナムでも使ったことがありますが、基本的に速度がめっちゃ速いというわけではないですが安定しているという特徴があります。個人的には普通に旅行中に使うインターネット用途の範囲ではこれくらいの速度でも特に問題なし。地図アプリ、配車アプリ等、問題なく使えました。
今回プノンペンで一度だけ、到着時に空港で使った時に(タイミングなのか場所なのかわかりませんが)なぜか低速でした。それ以外は終始安定していました。
インターネット共有(テザリング)も利用可能。
モバイルアプリからデータ残量の確認、データの追加購入も簡単にできます。(料金はもともとのプラン料金と同じ。)
まとめ
ソラコムモバイルは日本企業が提供するサービスという安心感、そして通信の安定性、モバイルアプリの利便性という点が魅力的。
あとはデータプランの料金が自分の予算内かどうか、だけ。
ちなみにカンボジアほかアジア圏以外にもアメリカやヨーロッパでも使えます。
eSIM4Travel
eSIM4Travel は2023年から開始された比較的新しいトラベルeSIMサービスです。
とにかくかなり低価格路線で、かつ利用できる国も多い印象。カンボジアに限らず、eSIMを選ぶ際は一度はチェックしておきたいサービスです。
eSIM4Travelのカンボジアプラン
eSIM4Travelで購入できるカンボジアプランは、執筆時点では以下の4つです。
データ容量 | 有効期限 | 価格(プロモコード利用時) | GB単価 |
---|---|---|---|
1GB | 7日 | $2.52 | $2.52 |
3GB | 30日 | $4.71 | $1.57 |
5GB | 30日 | $7.16 | $1.43 |
10GB | 30日 | $12.95 | $1.3 |
GB単価の数字ですでにお気づきかと思いますが、eSIM4Travelは現時点でたぶん最安値レベルのコスパを誇ります。
とりあえず3GB〜10GBなら他のeSIMと比べても負けてないでしょう。10GBでも2,000円しません(もちろん円相場によりますが)。
今回自分は5GBプランを購入し、このeSIM4Travelをシェムリアップ滞在中のメインとして使いました。
eSIM4Travelのシェムリアップでの通信品質
*検証時期: 2024年1月
このeSIMもローミングeSIMなので「データローミング」をオンにする必要があります。その上で、「モバイルデータ通信」に設定すれば準備OKです。
自分がシェムリアップを訪れたのは2024年1月下旬だったのですが、すでにシェムリアップの新しい空港(遠い方)が完成していたので、そちらに到着しました。
イミグレ前ですでにちゃんと電波をつかんでインターネットを利用できましたが、空港内ではところどころ圏外(というか正確にはEDGE)になり、若干不安定さが見られました。
接続先はSmartの4Gです。
シェムリアップ滞在中は4G以外になった記憶はないので、EDGE(ほぼ使えない状態)か4Gか、圏外か、といった感じ。
ちなみにバックアップ回線として楽天モバイルとのデュアルeSIMで使っていたのですが、楽天モバイルの方はcellcardに繋がり、Smartが使えないスポットなどで意外と重宝しました。
シェムリアップではSmartよりもcellcardの方が電波状況はいいみたいです。
*こちらのeSIM4TravelのeSIMはSmartのほか、Metfoneにも繋がるようですが、自動設定では一度もMetfoneにはなりませんでした。
通信速度
以下がeSIM4TravelのeSIMで行ったスピードテストの結果です。右から、シェムリアップ新空港、市内(パブストリート周辺)、そしてアンコールワットのそばです。
アップロードはやや遅いものの、ダウンロードは旅行eSIMにしては快適な速度が出ていました。
こちらのeSIMは台湾の中華電信提供のローミング通信のようで、Ping値は100ミリ秒前後。まあさほど気にならないレベルでしょう。
アンコールワットでも普通に使えましたし、テザリング(インターネット共有)も利用できます。
まとめ
総じて、eSIM4TravelのeSIMに関してはスピードよりも電波状況の方が注意した方がいいです。基本的に、9割以上は問題なく使えるのですが、たまに圏外になったりEDGEになって通信がうまく通りません。少し経てばまた繋がるようになるので、大きな問題ではないですが。
コスパが大きな魅力なので、個人的には第一候補の一つとして検討できるeSIMだと思います。
楽天モバイルなどもしあれば何かあった時にサブでそれを使えるので、メインは価格重視でeSIM4Travel、というコンビはいいような気がします。
GIGAGO
GIGAGO もどちらかというとeSIM4Travelに特徴は似ており、低価格で種類豊富なeSIMを提供しているサイトです。
GIGAGO 公式サイト 👇
カンボジア向けデータプラン
GIGAGOで販売されているカンボジアeSIMのデータプランはなんと30種類以上もあります。
公式サイトから確認いただいてもいいですし、eSIMDB > カンボジア > GIGAGOのページでも一覧で見ることができます。
GIGAGOでは3GBや5GBといった定量データプランの他に、1GB/dayや2GB/dayといったデイリープランも用意されています。
料金的にもeSIM4Travelと同程度か少しだけ高いくらいでコスパもなかなか良いです。
上記の記事で説明していますが、サイトからの購入方法も非常に簡単で使いやすい印象で、個人的には特にアジア圏ではGIGAGOを最初にチェックすることが多いです。
GIGAGO eSIMのシェムリアップでの通信品質
*検証時期: 2024年1月
購入してから知ったのですが、実はGIGAGOで購入できるカンボジアeSIMも台湾の中華電信のローミングeSIMで、eSIM4Travelとほぼ同じ。どうりで価格的にも近いわけです。
ということで、内容はほとんどeSIM4Travelと同じ。Smartの4Gに繋がります。(Metfoneにも繋がるみたいですが、自動設定では接続されずでした。)
電波状況的にもeSIM4Travelとほぼ同じ、たまにEDGEになったり圏外になったり。とはいえ問題なく繋がる時/エリアの方が圧倒的に多いですが。
通信速度
以下がeSIM4TravelのeSIMで行ったスピードテストの結果です。右から、市内(パブストリート周辺)、アンコールワットのそば、そしてシェムリアップ新空港です。
ややばらつきが見られて空港内では遅めでしたが、市内では特に問題なし。eSIM4Travelの結果と大差はありません。
基本的にたまーにEDGEや圏外になるタイミング以外は問題なく使える品質と言えるでしょう。
まとめ
GIGAGOのeSIMは中身はeSIM4Travelと同じなので特筆することはありませんが、1GB/dayなどデイリープランがあるのでそれは違いと言えるでしょう。
購入の簡単さはeSIM4TravelもGIGAGOもほぼ同じですが、GIGAGOの方はアカウント登録が不要なのでその分少しだけ楽かもしれません。
カンボジアeSIMにおいてはコスパもかなり良い方なので十分おすすめできます。
備考
カンボジアもほかのアジアの国々同様、空港でも市内でも旅行者向けSIMカードがたくさん売っており、料金もそこそこ安いです。
正直大容量データ(数十GB)だとまだまだ現地でSIMを購入した方が財布には優しいでしょう。特に中長期滞在であればある程度のデータが必要になると思うので、特にそういう場合は現地のプリペイドSIMをメイン、旅行eSIMは現地SIM調達までのつなぎや、何かあったときのバックアップとして一つ持っておく、というのが良いかもしれません。
そこまで滞在が長くない場合は今回この記事で紹介したように5GBや10GBくらいでコスパのいいプランが出てきているのでそれを使うのもおすすめです。
海外旅行時のeSIM検索は eSIMDB で
旅行先の国や地域から、簡単にプリペイドeSIMを検索することができます。データ容量や料金で絞り込みなどもできますし、プロモコードを載せているサービスもあります。ぜひチェックしてみてください👇
補足) カンボジアの配車アプリ
今の時代、もはや旅行に配車アプリはほぼ必須。
カンボジアではタクシー&トゥクトゥク配車アプリとして Grab と PassApp が利用できます。というかめちゃくちゃ便利なのでできれば両方インストールして登録まで済ませておくことをおすすめします。
ちなみに現地の人が使っているのは PassApp の方が圧倒的に多いみたいです。ただし PassApp はクレカ登録ができないので、降りる時に現金支払いになります。自分はプノンペン滞在中の街中移動はすべて Grab か PassApp を使っていました。