【海外旅行での利用】eSIMのメリット・デメリットを自身の利用経験から考えてみた

今まで10近くのeSIMを実際に使ってみた自身の経験から、海外旅行先でのネット利用の選択肢としてのeSIMのメリット・デメリットをまとめてみました。

【海外旅行での利用】eSIMのメリット・デメリットを自身の利用経験から考えてみた

最近日本でもeSIM関連の記事やニュースを目にする機会がだんだん増えてきました。

日本の国内3大キャリアは依然としてeSIMに対応しておらず、多くの場合メインのユースケースとしては海外旅行時が一般的かと思います。(海外では自国のメイン回線をeSIMに切り替えることができるケースが多くなってきていますが。)

-> 2021年、ようやく国内大手キャリアすべてがeSIMに対応しました 🎉

しかし既に最新のiPhoneやiPad等のeSIM搭載端末を持ってはいるけど「本当に使えるものなのか」半信半疑という方や、まだ持ってはいないけど便利そうなのでeSIM対応スマートフォンに買い換えようか悩んでいる、という方もおられるかもしれません。

そこで今まで20以上のeSIMを実際に使ってみた自身の経験から、海外旅行先でのネット利用の選択肢としてのeSIMのメリット・デメリットをまとめてみました。

今回はある程度コストを抑えた海外旅行先でのモバイルインターネット利用を前提とし、物理SIMを購入する場合とモバイルWiFiルーターをレンタルする場合を主な比較対象と想定しています。

pros and cons

メリット

すぐ買えて、すぐ使える

旅行前に日本のAmazonなどでSIMカードを購入するにせよ、現地の空港やコンビニ、モバイルショップで購入するにせよ、物理SIMの購入にはいくらかの時間と手間がかかるものです。

日本で事前にネットで買っておく場合も実際に届くまでに日数はかかりますし、現地で購入する場合も時間や労力は多少なりとも必要となります。

WiFiルーターレンタルについてもあらかじめネットで予約をし、自宅に郵送してもらったり、当日空港のカウンターで手続きを行う必要があります。また、最後には返却という手間も発生します。

eSIMの場合は購入から使用開始まで全てオンラインで完結するため、出発ギリギリでもネット環境さえあれば購入できますし、なんなら現地の旅行先でもWiFiを使って購入することもできます。そして購入からものの数分でインターネットを使い始めることができます

結果、トータルで購入から使用開始までの時間を圧倒的に短縮することができます。

ゆったり数週間以上の旅ならまだしも、滞在が一週間以内や数日といった短い旅行の場合にせっかくの現地での時間を最大限に使いたい方や、直前まで仕事でバタバタしていたり旅行の準備が苦手な方にとってはeSIMは準備がほぼ不要でサクッと使用開始できる便利なツールです。

SIMの入れ替え不要 = SIMを失くす心配がない

従来の物理SIMに書き込まれているプロファイルと呼ばれるデータをネット経由でダウンロードできるのがeSIMのミソ。

SIMピンを使って端末からSIMトレイを出して、小さなSIMを丁寧に取り出して、次のSIMを向きを合わせながら挿入する、という一連の行為が不要になります。

デュアルSIM端末の場合は入れ替える必要がないケースもありますが、渡航する地域や国が増えるとSIMの入れ替えが必要になってきます。

WiFiレンタルの場合も持ち歩く端末が1つ増えるわけですから、失くす可能性は出てきてしまいます。そのため有償の補償サービスというのもあったりしますが、追加のコストが発生します。

eSIMであれば物理SIMを取り出す必要がないので、必然的にSIMを失くす心配がなくなります。mini、micro、nanoとSIMのサイズがどんどん小さくなってくると同時に、取り外したSIMを失く可能性も少なからず上がっています。日本で使っているSIMを失くしてしまったらかなり面倒なので、この危険がなくなるのは非常にありがたいと思います。

SIM tray in smartphone

2つ以上のプロファイル(通信プラン)を保存できる

複数の国や地域を移動する旅行の場合、WiFiルーターレンタルでは全ての国で使えるプランを選択するか、2台以上をレンタルする必要があり、どちらにせよ高額な出費になることがあります。また、物理SIMについてもローミング対応1枚で比較的安価に済ませることができる場合もありますが、複数のSIMを購入し、持ち歩いたり入れ替えたりする必要がでてくることもあります。

eSIMであれば1台の端末に複数のプロファイルをインストールすることができ、渡航先の国や地域によって最適なプランやプロバイダーを簡単に使い分けることができます。

例えば日本からまず香港にいき、そこからインドを経由してヨーロッパに行くといった若干イレギュラーな場合でも、eSIMを切り替えて使うことによってそれぞれの国でベストなデータプランを都度利用することができるわけです。

もちろん、帰国後に日本の回線に切り替えるのも、端末の設定からすぐに可能です。

さらに、iPhone 13 シリーズからはeSIMを同時に2つ有効化できるデュアルeSIMが可能となっています。これでさらに海外旅行時の使い分けが便利になりますし、今後このデュアルeSIMが多くのデバイスで使えるようになっていくはずです。

初期不良含め物理的なトラブルがない

物理SIMの場合、稀ではありますが初期不良品に当たってしまったり、途中でチップ部分に傷が入って認識されなくなったりと、物理的な故障がないとは言い切れません。また、端末側のSIMトレイが原因で挿入したSIMが認識されないといった問題もあるようです。

eSIMの場合、プロファイルはデジタルなデータ形式であり、また外部に触れるようなチップ部分もないため、上記のような物理的トラブルの心配はありません。また、理論的には経年劣化の心配もありません。

端末以外何もいらない

WiFiルーターのレンタルのように追加で端末を持ち歩いたり充電したりする必要がありません。このメリットに関しては物理SIMを使う場合も同じですが、eSIMではSIMカード自体の取り扱いも不要なので本当の意味で端末以外何も物理的なモノが不要です。

なるべく荷物を減らして身軽に旅行をしたい、といった方には理想的な海外でのインターネット利用の形であると言えます。

スマートで新しい

これはメリットと言えるかどうかわかりませんが、個人的には新しいeSIMという技術を使うということ自体への楽しみという面もあるように思います。

これからはeSIMが一般的なものになっていくと思いますが、まだ現時点ではある意味新しいものの先取り感は体感できます。そういったテクノロジーの進化を体験することに価値を見出す人や、新しいもの好きの方にはeSIMは面白いはずです。

iPhones and Pixel phones

デメリット

料金面では必ずしも最も安い選択肢ではない

これは市場がまだ成熟しておらず、eSIM向けのサービスを提供するプレイヤー(プロバイダー)が少ないことに起因していますが、国や地域によってはまだまだ物理SIMやWiFiレンタルの方が実際安く済むこともあります。

数百円から千円前後の差であればSIMを失くす心配や時間節約をお金で解決するという意味でeSIMを選ぶ、という方もおられるとは思います(自分は正直そのは派です)が、料金だけを見ると必ずしも一番安いわけではないかもしれません。

ただ、これについては時間の問題で、現在市場で売られている物理SIMのeSIMバージョンがどんどんでてくると、将来的には価格差はほとんどなくなると考えられます。逆に、eSIMでは物理的なカードの製造費や運送費などが一切不要になるため、販売者側はeSIMの方がコストを抑えられる可能性も十分あります。そしてその結果物理SIMより安くeSIMが提供できるようになるかもしれません。

実際、ここ数年で旅行者向けeSIMサービスの数もかなり増えてきており、選択肢という意味ではもはや物理SIMカードよりもeSIMの方が多いと言えますし、価格もどんどん下がってきています

現地の電話番号が付属しない場合が多い

物理SIMの場合、特にアジア圏だと現地の電話番号が付いたSIMで、且つ無料通話や無料SMS利用分がパッケージになったプリペイドSIMも多くありますが、eSIMの場合は現状データ専用が大半です。こういった場合、インターネットを利用したVoIPアプリ(LINEやWhatsApp、Facebook Messengerなど)で通話は可能ですが、電話番号を使った電話やSMSの送受信はできません。

今後eKYCといったオンラインID確認の普及により、電話番号付きのeSIMも徐々に増えてくると個人的には予想していますが、ここはやや時間がかかるかもしれません。

とはいえ既にVoIPが主流になっているので、通話への需要というよりもSMSの送受信としてのニーズが残っている、という印象で、ニーズは限定的に思います。

使える端末が限られている

このデメリットについても時間の問題かと思います。

iOS端末については2019年以降のiPhone、iPadはすべてeSIMに対応しています。AppleはeSIMに積極的なため、今後リリースされるiPhoneやiPadもすべて対応するでしょうし、最近ではeSIMオンリーのiPhoneリリースの噂も出てきています。

AndroidについてもGoogleのPixelシリーズやサムスンのGalaxyシリーズを筆頭にここ数年でどんどんeSIM対応Android端末は増えてきており、業界としては(一部の廉価版を除き)eSIM対応はほぼマストになりつつあると言えます。

Windows PCのタブレットラップトップ端末の中にも一部eSIMが利用できるものがあり、数も増えています。

補足ですが、将来的にはMacBookも5G対応(eSIM対応)するかもしれないという噂もあります。"Always Connected PC"を掲げるMicrosoft同様、AppleもノートパソコンにWiFi以外のセルラー通信モジュールを搭載させてくる可能性はゼロではありません。

今回はスマートウォッチなどのウェアラブル端末はほとんど取り上げていませんが、すでにeSIMを搭載するスマートウォッチも複数ありますし、今後eSIM対応のウェアラブル端末も増えてくるはずです。

Apple Devices

慣れるまで少し戸惑う可能性あり

これは新しいテクノロジー全般に言えることではありますが、やはりeSIMも最初はややとっつきにくい、どうやって使うのかわかりにくい、という印象を持たれる方も多いと思います。

インストール自体もQRコードを読み取る必要があったり、インストール途中の設定もやや難解だったり。何度か実際に使うとすぐに慣れますが、最初はやはり少し戸惑うことは大いにあり得ます。


個人的な感想

今回デメリットも複数挙げましたが、料金や対応端末、OS側の問題など、ほとんどどれも時間の問題で後々解決されると期待しています。

かなりバイアスのかかった一個人の意見ではありますが、eSIMは上記のデメリットを考えてもそれを補う明確なメリットがあると感じています。SIMを失くす心配がないことや、最短の時間で購入から利用開始までできて準備や現地で時間や労力を使わなくていいことは、多少料金が高くなってもeSIMを選択するメリットになり得ます。

もちろん旅程や予算によって他の選択肢を選ぶ場合もありますが、少なくともeSIMは物理SIMやWiFiルーターレンタル、そして今回は取り上げませんでしたが海外データローミングやソフトSIMといったその他の選択肢と同レベルで利用を検討できるまでに既にきていると思います。

もしeSIM対応の端末をお持ちの場合は、ぜひ次の海外旅行はeSIMの利用を検討してみてください。

そして 各国で使える旅行者向けプリペイドeSIMの検索と比較には、esimdb を使ってみてください👇

海外旅行者向けeSIM検索・比較サイト | esimdb
旅行先の国や地域からベストなeSIMデータプランを検索、比較することができます。一番安いプランを調べたり、レビューをみてオススメのeSIMを探しましょう!