eSIM利用時によくある問題とその解決方法【トラブルシューティング】

今まで10以上のeSIMを、15ヶ国くらいで使ってきた筆者が実体験やその他見聞きした情報をもとに、eSIMを使う際に注意すべき点やトラブルが起こった際の解決方法をまとめました。

ネットワーク側の問題、端末側の問題など原因は様々で、場合によっては過去に発生していた問題で現在はOSのアップデートなどで改善されている事も含まれているかもしれませんが、とりあえず知っている限りの情報を載せ、またできる限り情報更新を心がけたいと思います。

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1️⃣ 「この通信事業者からのモバイル通信プランは追加できません」というメッセージが表示される

eSIM(プロファイル)を端末にインストールできないケースです。上記のメッセージはiOS / iPadOSでのものですので、Android端末だと異なるエラーになるかと思います。

原因その1: SIMロック

端末にSIMロックがかかっていることが考えられます。AppleやGoogleから直接購入した端末の場合はこの可能性はほとんどないと思いますが、docomoやSoftBank、auなどの通信事業者(携帯会社)を通して電話あるいはモバイルインターネット契約とセットで購入した端末の場合は注意が必要です。SIMロックはそれら通信会社が独自に実施しているもので、このSIMロックのかかっている端末はeSIM含め、他の会社のSIMが使えません。この場合はSIMロック解除を行う必要があります。

現在日本では総務省主導でSIMロック解除周りの法改正が進んでユーザーにとっては解除しやすい環境が整いつつあります。SIMロック解除が必要な端末をお持ちの方はぜひ一度契約している通信会社に問い合わせてみてください。

原因その2: MDM

もし会社から支給されている端末の場合は、モバイルデバイス管理(MDM: Mobile Device Management)というシステムがインストールされている可能性があります。

これにより上記のSIMロックに近い何らかの制限が端末にかかっている可能性がある場合は、一度勤め先に確認を行ってください。

2️⃣ 「このQRコードはもう有効ではありません」というメッセージが表示される

QRコード自体が使えないケースです。

QRコードが読み取れなかったり認識されない問題ではなく、スキャンはできるけど、その後にコードが有効ではない旨の表示が出ることがあります。この場合、すでに一度使われたQRコードである可能性が高いです。セキュリティーの関係上、現在ほぼ全てのeSIMプロファイルインストール用のQRコードは一度しか使用できないように作られています。QRコードに含まれているURLにアクセスし、そこから一度でもeSIMをダウンロードした、あるいはしようとした場合、そのQRコードは以降使えなくなります。

この問題が起こった場合はQRコードを発行するプロバイダーに問い合わせを行ってください。

3️⃣ モバイルデータ通信ができない

有効なeSIMが端末にインストール(追加)された状態にもかかわらず、利用できるはずのエリアでインターネットがまったく使えないケースです。

前提として、モバイルデータ通信の設定にはそのeSIM(モバイル通信プラン)が割り当てられているものとします。

原因その1: データローミング

海外で使えるeSIMではデータローミングを有効にしないと使用できないものが多々あります。その場合は必ずモバイル通信のデータローミングの設定をオンにしてください。

尚、データローミングをオンに設定しても、「モバイルデータ通信」に日本の(e)SIMが設定されていない限り高額なローミング料金が日本の(e)SIMに対してかかることはありません。

原因その2: APN設定

eSIMの中にはアクセスポイント名(APN)の設定を行う必要のあるものがあります。この場合購入したときにまず間違いなくその旨の説明が届くとは思いますが、見過ごしている可能性もありますので、購入したeSIMはモバイルデータ通信にAPN設定が必要か一度確認してみてください。

原因その3: 通信事業者の自動選択

一般的にデフォルトの設定ではどの端末も通信事業者(接続先ネットワーク)は自動的に選定される設定になっていますが、たまに自動的にうまく接続されないケースがあります。原因は端末(OS)側含めいくつか考えられますが、対処方法としては手動で通信事業者を選択することが効果的です。

まず使いたいeSIMが、その国でどの通信事業者(ネットワーク)に繋がるのか公式ウェブサイトなどで確認できる場合はチェックしましょう。一つの国で一つ以上の通信会社が使える場合も少なくありません。そして端末の設定から「ネットワーク選択」の自動設定をオフにし、その後検出される現地のネットワークから目当てのネットワークを手動で選択します。もしどのネットワークが繋がるかまったく情報がなく、わからない場合はとりあえず手当たり次第に検出されたネットワークのリストの上から順に選んでいく方法でいいかと思います。

この「通信事業者の手動選択」により、強制的に接続するネットワークを指定することができるので、通信が安定しない場合や断続的にモバイル通信が途切れる場合にも有効です。

ただし、一度この手動設定を行うとその国では他のネットワークには一切繋がらなくなるので、エリアによって繋がりやすいネットワークが異なる国などでは注意が必要です。

原因その4: 3G or 4G/LTEの設定

これも海外旅行用eSIMで稀にあるケースですが、特に発展途上国などでは3Gしか使えない場合があります。そういった場合、通常は端末側でちゃんとよしなに3Gに繋げてくれるのですが、端末の対応周波数(Band)や現地ネットワーク側の問題でうまく繋がらないことがあります。このような時、端末の設定から優先ネットワークを選択できる場合は3Gに指定したりしてみましょう。

補足:

モバイルデータ通信関係で問題が起こった時、とりあえずオールマイティーなトラブルシューティングとしては「フライトモード ON --> OFF」をしてみましょう。これによりモバイルデータ通信(のセッション)が一度切れ、新たにネットワークに繋ぎにいくような挙動が端末で行われます。ちょっとした不具合だとこれによって解決する場合もあります。

4️⃣ テザリング(インターネット共有)が使えない

eSIMをインストールした端末と他の端末(例えばPC)を繋いでデータ通信をシェアするテザリング機能が使えないケースです。これは基本的にはAPN設定に起因する場合が多いです。購入したeSIMでテザリング機能を使う際にAPN設定が必要かどうか確認しましょう。

また、参考までに、端末の再起動で使えるようになったというケースも耳にしたことがあります。効果のほどは定かではありませんが、1分前後の作業ですのでやる価値はあるかもしれません。

この他、(特にローミング通信時)ネットワークによってはなぜかテザリングが使えないこともあるようです。原因は端末側ではなくネットワーク側となるのでこの場合は解決が難しい場合がほとんどかと思います。

5️⃣ 特定のWebページやアプリにアクセスできない

モバイルデータ通信全般がまったく使えないケースではなく、一部のウェブサイトやモバイルアプリのみ使えないといった場合です。

原因その1: その国独自のファイヤーウォール

中国のグレートファイヤーウォール(金盾)が最も有名ですが、その他イラクなどでも常時あるいは一時的に通信を制限 / 検閲するシステムが稼働している場合があります。こういった場合、一般的に影響を受けるのは現地の通信会社のインターネットゲートウェイを使用した(ローミングではない)通信です。逆に言えばローミング通信の場合はファイヤーウォールの影響を受けない場合が多いです。したがって解決策としてはローミング通信を使用したeSIMを選ぶことが挙げられます。

原因その2: IPアドレスによるフィルタリング

特定のIPアドレスからのアクセスをウェブサイトやアプリ側で制限されている場合があります。こういった場合はVPNを使うなど、異なるIPアドレスを使うか、あるいはそのウェブサイトやアプリの管理者と連絡が取れる場合はアクセスに使用するIPアドレスをホワイトリストに入れてもらうことが解決方法になります。

6️⃣ モバイル通信プランの名称が消える

これはiOS / iPadOS特有の問題ですが、iOS 12 or 13では稀に追加したeSIM(モバイル通信プラン)に設定した名前が消えてしまうバグが確認されています。これに関しては完全にAppleマターとなりますので、OSのバージョンアップでfixされるのを待つしかありません。

尚、名称が消えてどのeSIMかわからなくなってしまった場合は、ICCIDを確認することで特定することが可能かと思います。

インストールしたeSIMの番号(ICCID)の確認方法
今回はiPhoneのiOS 12.3.1の場合でeSIMのICCIDの確認方法を説明します。