UbigiのeSIMを日本で使ってみたレビュー【一時帰国時にも便利】
旅行用eSIMサービス「Ubigi」を日本で使用した体験談。主に日本への一時帰国時のモバイル通信手段のいち選択肢として。
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前回2022年2月にUbigiのeSIMを日本で使った時から若干eSIMの購入やアカウント登録の手順が変わり、また料金も変更になったため、大幅に内容をアップデートしました。
この記事は、Ubigi という旅行者向けeSIMサービスを日本国内で利用してみたレビュー兼体験談です。
昨今、いわゆる旅行eSIMと呼ばれるプリペイド型のeSIMサービスが非常に多く出てきていますが、Ubigi は日本で利用できるプリペイドeSIMの中でコスパは(一番ではないものの)かなり良い方です。
そのため日本に一時帰国する方の短期的な利用はもちろん、プリペイド型なので日本在住であっても必要な時にサブ回線としても使えます。
この記事では主にUbigiの日本プランの料金と、自分が実際に使ってみて感じた通信品質などを忖度なしにまとめています。
Ubigi とは
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Ubigi(ユビジあるいはウビジと発音)は、フランスの通信事業社Transatelが展開するコンシューマーおよびコネクテッドデバイス向けeSIM通信サービスのブランド名です。
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eSIMを活用したデータ通信サービスのメジャープレイヤーとして、世界130以上の国で安定したインターネットを利用でき、iOSやAndroidはもちろん、Windows端末でも利用できるという特徴があります。
2018年末には日本のNTTコミュニケーションズ株式会社が株式の過半数を取得し、連結子会社化することを発表しました。Ubigi のウェブサイトやアプリは日本語にも対応しています。(ただし機械翻訳感あり。)
日本プランの種類と料金
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Ubigiが提供する日本向けのデータプランは執筆時点で9つありますが、月額タイプ(毎月支払うサブスクタイプ)と年額タイプ(12ヶ月分まとめて支払うタイプ)もいくつか含まれているため、通常の短期間利用という意味では実質5プランになります。
買い切りタイプの5プラン
対象地域 | データ容量 | 有効期限 | 価格 | GB単価 |
---|---|---|---|---|
日本 | 500MB | 1日 | 360円 | 720円/GB |
日本 | 1GB | 30日 | 570円 | 570円/GB |
日本 | 3GB | 30日 | 1,200円 | 400円/GB |
日本 | 10GB | 30日 | 2,600円 | 260円/GB |
日本 | 50GB | 30日 | 9,700円 | 194円/GB |
もちろん使用する期間や用途によりますが、ほとんどの場合、現実的な選択肢としては3GBプランか10GBプランあたりになるように思います。1GBプランは割高ですし、50GBプランはそこまで必要な人が非常に限られるため。
実際に日本プランを購入する
UbigiのeSIMの購入方法、そして利用開始までの流れは以下の記事に詳細をまとめていますので、初めて使う、あるいは使おうか検討している、という方は参考にどうぞ。
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基本的な利用方法は他のeSIMサービスと同様で、プランを購入し、eSIMをデバイスにインストール(追加)し、利用できる国で簡単な設定を行う、というステップです。
(*ちなみにUbigiの場合、最初にeSIMをまずインストールし、後からプランを購入する、ということもできるのが少しユニーク。)
今回は試しに3GBプランを購入してみました。
割引コード「ESIMDB10」を使って10%オフで1,080円。データプラン料金以外の費用は一切かかりません。ただし、現状支払いにJCBのカードは使えないようなので、そこだけ注意しましょう。
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Ubigiは公式サイトもモバイルアプリも特別デザインが良いとか、使いやすいということは正直ないですが、使いにくいというほどでもなく、可もなく不可もなく。ただ、読み込みや動作がやや遅いのは改善してほしいところ。
eSIMにわかりやすい名称を設定しておこう
デバイスに追加したUbigiのeSIMには、他のeSIMと区別できるようわかりやすい名称を設定することをオススメします。
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自分はUbigiに限らず、主回線以外のeSIMには毎回忘れずにインストール時あるいはインストール後すぐに名称を変更するように心がけています。ちょっとしたことですが、誤ってeSIMを削除してしまったり、毎回どの回線がどのeSIMか確認するちょっとした時間を削減できます。
通信速度や使用感など
*利用時期: 2023年12月〜2024年1月
*利用端末: iPhone 15 Pro
必要な設定とネットワーク
まずはじめに、UbigiのeSIMを使ってインターネットを利用するのに必要な設定は、
- UbigiのeSIM(回線)を「モバイルデータ通信」に設定
- データローミングを有効に設定
の2点です。これで数秒でデータ通信が使えるようになるはずです。以下にそれぞれiPhoneでの設定箇所を載せておきます。
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日本ではキャリア名にはUbigi 5Gと表示されますが、ネットワーク自体はDocomoのようです。
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スピードテスト
日本での実際のデータ通信速度は多少ばらつきはあるものの、ダウンロードは最低でも数十Mbpsはあり比較的安定している印象。ただしアップロードはそれよりもかなり低い値となりました。
ちなみにこれは2022年2月に使用した際も同様だったので、通信品質に関してはここ1、2年で大きな変化はないと思われます。
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ただやはり前回も感じたことですが、Ubigi eSIMを日本で使用することにおいては遅延が一番のネックです。低い時でもPing値が350ミリ秒前後出ているので、もっさり感は普通に使っていても感じます。どのアプリを使うにしても、最初の読み込みが遅いという体感は良いものではないです。(特に日頃快適な通信環境でインターネットを使っていると。)
また、LINEやFacebookメッセンジャー等のVoIPアプリでの通話では、遅延によって音がワンテンポ遅れて届く、聞こえるといったことが常時発生するので、ここもストレスになります。
ちなみにIPアドレスはアメリカになっていました。
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モバイルアプリ
Ubigiのアプリはいたって平凡なデザイン。動作がややもっさりしていますが、必要な情報にはアクセスできて、データ使用量のチェックやデータの追加購入など最低限の機能は網羅されています。
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ただ、以前はUbigi eSIMでアプリにアクセスすると自動でログインされるようになっていたはずですが、今回は手動でメールアドレスとパスワードを入力しないとログインできなかったので、もしかしたらここの仕様は変更になったのかもしれません。残念。
感想
データプランの購入や、ウェブサイト&アプリの使い勝手としては(少し処理が遅い以外は)特に問題ないものの、肝心のデータ通信は日本だと少し遅延が懸念点です。もちろんここは人によって体感に個人差があると思いますが、個人的には今後の改善に期待したいところ。
料金面では3GBや10GBプランなどは比較的コスパが良い方だと思いますので選択肢としては十分アリでしょう。ただ、最近は旅行eSIM全体としてかなり価格競争が激化しており、Ubigiよりも安いサービスもちらほら出てきています。
料金はかなり変動する可能性があるので、最新情報はぜひ旅行eSIM比較・検索サイト「eSIMDB」でチェックしてみてください。より安価で良さそうなeSIMが見つかるかもしれませんし、Ubigiの日本プランが今後さらに魅力的なコスパにアップデートされる可能性もあります。
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日本プランがお得なUbigi以外のeSIM
最後に補足情報として、Ubigi以外の日本国内で利用できるeSIMを独断と偏見でピックアップし、さらっと紹介します。
Airalo
Airaloは価格と使い勝手の総合力が高い有名サービス。日本プランのコスパも良し。
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MobiMatter
MobiMatterは日本のIIJが提供するeSIMを販売しており、特に大容量データプランが魅力的です。また、それらはIIJの回線ということで遅延などの心配もなし。
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eSIM4Travel
eSIM4Travelはまだ新しいサービスですが、プランの量と価格が非常に魅力的です。一見の価値あり。
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