iPhone 17からついにeSIMがメインストリームに【日本版もeSIMのみ】

iPhone 17シリーズ、iPhone Airでついに日本版でも完全に物理SIM廃止に。eSIMへの移行が加速しています。

iPhone 17からついにeSIMがメインストリームに【日本版もeSIMのみ】

米国版限定でeSIMオンリーが登場したiPhone 14から3年、ようやくeSIMが物理SIMを置き換え、メインストリームとなる舞台が整いました。

2025年9月9日(日本時間で9月10日)に行われたイベントでAppleが発表したiPhone 17シリーズとiPhone Air日本ではなんと全モデルが物理SIM廃止、eSIMのみとなりました。

iPhone 17、iPhone Air、iPhone 17 Pro、iPhone 17 Pro Max、ぜんぶeSIMのみ利用可能です。

個人的にはiPhone AirのみeSIMオンリーでその他のモデルはまだ物理SIMスロットが残るかな、とも思っていましたが、蓋を開けてみれば物理SIMスロットのある新型iPhoneは日本では購入できない、という正真正銘のeSIMオンリーとなりました。

実際問題としてeSIMには機種変更や再発行時の課題は(実務面では)まだあるんですが、Appleがおもいきったことをやってきました。

iPhone 17

そして、意外と見過ごされている事実として、iPhone Airは中国版でもeSIMオンリーとなっている点があります。これが「ついにeSIMがメインストリームに」とタイトルで強調した理由のひとつでもあります。

これまでも米国版を中心にeSIMオンリーのiPhoneモデルは出てきていましたし、日本においても物理SIMとeSIMのデュアルというのはここ数年ずっとありました。ですが、これまで中国本土ではeSIMが利用できるiPhoneはまったく販売されてこなかったのです。それがついにiPhone Airで変わりました。

やはり中国本土というのは非常に大きなマーケットであり、そこでようやくeSIMが利用できるiPhoneが登場した、というのは大きな前進と言えるでしょう。(China Unicom = 中国聯合通信経由限定、などの縛りは依然としてあるようですが。)

なお、参考までに、iPhone Airは全世界でeSIMオンリーです。どこで買っても物理SIMスロットはありません。

iPhone Air

eSIMのみのiPhone 17 ProとiPhone 17 Pro Maxは、日本以外にバーレーン、カナダ、グアム、クウェート、メキシコ、オマーン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、アメリカ、アメリカ領ヴァージン諸島でリリースが発表されています。

ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、韓国、そして香港などのマーケットでは依然としてiPhone Air以外は物理SIM対応(eSIMとのデュアル)モデルですが、これも次のiPhone 18シリーズで大きく変わると予想されます。

なぜAppleは物理SIMを廃止してeSIMのみにしたいのか

これについては2022年1月に以下の記事でつらつら理由を挙げていますが、3年以上経った今でもこれらの理由についてはほとんど変わりないとみています。

なぜAppleは物理SIMスロットを廃止し、eSIMオンリーにしたいのか
iPhoneから物理SIMスロットが廃止され、eSIMオンリーになるという噂がでています。米国版と日本版で時期が異なる可能性や、廃止の意図や背景を考察します。

中でも特に今回(2025年の)Appleのイベントのキーノートで強調されていたのは、

  • 端末内部のスペースの有効活用
  • セキュリティー

の2つです。

物理SIMのスペースをほかに割り当て

これまで小さなnano SIMであってもトレイ含め、確実にiPhone内部のスペースを取っていました。eSIMオンリーにすること(物理SIMスロットを排除すること)でそんな物理SIMに専有されていたスペースの有効活用が可能になり、iPhone 17シリーズではこれまでより大きなバッテリーを搭載できたとAppleは述べています

これによりバッテリーの稼働時間が最大で2時間伸びるということで、これは結構嬉しいポイントです。

より安全なeSIM

もちろんeSIMにおいてもスワッピング被害等も報告されており、絶対安心安全というわけではありませんが、一般的にeSIMは物理SIMより安全性が高い、と言われています。実際、Appleもこれまでずっとそう宣伝してきています。

端末から取り出せない

物理SIMは抜き差しができるため、盗難時に別のスマホへ挿せばそのまま利用されてしまいます。

一方でeSIMは端末に組み込まれているので、紛失や盗難が発生しても物理的に取り外して悪用される心配がありません。いわゆる「SIMスワップ攻撃」のリスクが減ります。

プロファイルは暗号化して配信される

eSIMの契約情報(プロファイル)は「リモートSIMプロビジョニング」という仕組みを使い、キャリアから暗号化された通信で安全に書き込まれます。

そのため、不正な手段で勝手にコピーされたり、差し替えられる可能性が非常に低くなっています。

端末のセキュリティと一体化している

Appleの場合、eSIMの情報はデバイス内部のセキュリティチップで保護されます。

外部から直接アクセスできないため、物理SIMのようにチップを解析してクローンを作る、といった攻撃が難しくなっています。さらに、紛失した際には「探す」機能などを通じてリモートで無効化することも場合によっては可能です。

海外eSIMにも言及が

iPhone 17シリーズ発表のキーノートやプレスリリースでは、海外eSIM(Appleでは「旅行用のeSIM」と呼ばれています)にも触れられていました。

以下はプレスリリースからの抜粋:

eSIMは旅行中もさらに便利に接続し続けられるようにします。ユーザーの国の通信事業者による手頃な国際ローミングプランや、200を超える通信事業者が提供する地域のプリペイドオプションを通じて、途切れることなく通信ができます。
iOS 26で新たに合理化された設定により、旅行用のeSIMの管理はさらに簡単になります。

eSIM対応のiPhoneでは8つ以上のeSIMを端末に保存しておくことができます。日本で主回線、あるいは副回線も使っていたとしても、さらに6つ以上のeSIM(回線)を保存できるのです。

ということで、海外旅行時に短期で使えるプリペイドeSIM = 海外eSIMをインストールし、旅先で利用する旅行者が増えています。

💡
世界最大の海外eSIM検索・比較サイト「eSIMDB」はまさにそんな海外旅行時に使えるeSIMを探すのに便利なサイトです。

以上のように、eSIMは多くのメリットをもたらすということで、Apple主導で物理SIMを置き換えつつあります。そしてこの流れは不可逆です。

これまでずっと物理SIMでまだeSIMは使ったことがないという方は最初少し不安かもしれませんが、(実際まだ転送や再発行時の課題は確かにあるものの)結局は遅かれ早かれどこかのタイミングでeSIMを使うことになるので、もしiPhone 17シリーズやiPhone Airの購入を検討しているけどeSIMが、、という方もあまりネガティブに捉えずに、トライしてみてはいかがでしょうか?

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