Lesimo(ルシモ)eSIMを実際に(タダで)使ってみた感想兼レビュー
トライアルユーザー募集中だったLesimo(ルシモ)のeSIMを試してみました。
【超重要】
2024年3月19日: Lesimoを運営するNTTメディアサプライ社から以下のメールが届きました。来る4月1日から新規プラン購入を停止、4月18日以降は通信サービスの利用もできなくなるようです。
「より多くの方にご満足いただけるサービスへの転換をめざすため」と書いているものの、「サービスご利用停止日以降、Lesimo公式HPおよび会員サイト、公式SNSがご欄頂けなくなります。」とのことなので、LesimoのeSIMサービス自体の継続はかなり不透明と言えそうです。
4月17日までに利用を終了する分の申し込みについてはまだ購入可能ですが、それ以降の利用についてはeSIMDBなどを利用して他の旅行eSIMサービスの利用を検討されることをおすすめします。
Lesimo(レシモではなくルシモと読むらしい)は、NTTメディアサプライ株式会社が2023年4月にリリースした、海外渡航者向けのeSIMデータ通信サービスです。
2023年5月末までは初回に限り、全プラン無料で利用できるキャンペーン中。ということで、実際に申し込みをし、アジア圏で使ってみました。
尚、このキャンペーンは「トライアルユーザー募集」という位置付けで、
- Lesimoを初めて利用する方限定
- 2023年5月31日利用開始分まで
- ご利用後、アンケートへの回答に協力する
という条件になっています。
運営元について
NTTメディアサプライという会社、名前は聞いたことあったのですが、ほとんど無知だったのでググって公式サイトに飛んだところ、
403エラーが返ってきて、閲覧できませんでした。(少なくとも2023年5月下旬から数週間。)
Wikipediaによると、集合住宅および法人向け事業がメインの会社のようです。
あくまで実際使ってみた個人的な感想ですが、全体の使い勝手は正直あまり良くはなかったので、個人(コンシューマー)向けに広くサービスを展開している会社ではない、ということを念頭に期待値を設定した方がよさそうです。
Lesimo公式サイトも現時点ではまだ不具合がたまにあるようで、ページの遷移ができなかったり、データの表示にかなり時間がかかったりしました。
Lesimoのサービス内容
Lesimoの特徴をざっくり挙げます。
- eSIMを利用したデータ通信サービス(eSIMに対応しているSIMフリー端末でのみ利用可能)
- モバイルデータ通信専用で、電話やSMSの機能はなし
- 70カ国以上で利用可能
- 初期費用は手数料などは不要、プラン購入料金のみ(業界では当たり前なので特徴でもないですが)
- 最短10分で開通(利用開始)が可能 => 利用当日でも申し込み(購入)可能
- モバイルアプリの提供は現時点ではなし、ウェブから購入
- eSIMはQRコードまたはアクティベートコードを使ってインストール(有効化)
他の旅行者向けeSIMサービスも多くはこんな感じの内容なので、至って普通のトラベルeSIMサービスと言えるでしょう。あまり差別化要素は見受けられません。
プランと料金
*執筆時点での情報です。
公式サイトの価格ページで詳細を確認できますが、毎回情報が表示されるのに5秒前後かかるので覚悟しましょう。
現時点での対応国は以下の通りで、南米とアフリカを除けばそこそこ使える国は多そうです。
Lesimoでは、
- 決まったデータ容量(GB)を期間内で使えるプラン
- 1日のデータ使用量の上限が決まっているプラン
の2種類があり、それぞれ単国タイプと周遊タイプに分かれています。
といっても国によってプランの数にはかなり差がある印象で、例えばベトナムだと以下のように1GB/日のプランのみ。
ヨーロッパは全体的にまだプランが少ないようで、フランスでは単国プランは8GBプランのみ。
欧州周遊プランは多数ありますが、1日当たりのデータ量が決まっているプランのみです。
上記は一例なので、詳しくはLesimoの公式サイトからチェックしてもらえればと思いますが、個人的には価格はかなり高めの印象です。
旅行eSIM検索・比較サイト「eSIMDB」に載っているプランと比較すると、価格差がかなりあるというのがわかるはずです。
今回は幸運にも0円になるキャンペーンを利用できたので試してみましたが、正規の価格ではほぼ間違いなくLesimoは選ばないです(自分は)。
とりあえず今後大幅な値下げになることを期待したいところ。
尚、今回自分はアジアの複数カ国で使う予定だったので、アジア周遊プランを申し込みました。
アジア周遊プランもヨーロッパ周遊プランに比べれば多少ましですが、やはり割高です。
ちなみに国外利用を前提としていることから、すべて課税対象外です。
Lesimo eSIM購入の流れ
*執筆時点での内容です。
会員登録
以下の公式サイト右上にある「お申し込み」ボタンをクリックして、まずは会員登録をする必要があります。
(プラン選択 => 会員登録の流れにしてほしいというのが個人的な意見ですが、現状は逆のフローです。)
ざっくり説明すると、メールアドレス入力 => 認証メール内のリンクを踏む => プロフィールを入力 => パスワード設定、という流れです。
尚、プロフィール入力画面では、電話番号、生年月日、性別(選択しないという選択肢含む)の選択が必須になっています。
電話番号で複数アカウント運用を阻止する目的なのかもしれませんが、SMSなどは届きませんでした。なので認証手段としては最初のメールアドレスの入力のみです。
パスワードまですべて入力し、確認を行うと、「会員登録が完了しました」というメールが届きます。(そこにお客様番号も記載されています。)
ログインしてプランを購入
公式サイトの右上の「ログイン」ボタンから、メールアドレス(またはお客様番号)とパスワードを入力し、ログインします。
あとは渡航先の国または地域から、好みのプランを選択するだけ。
自分は今回「アジア8ヶ国周遊 2GB 15日間」を選びました。正規の価格は17,080円です。(が、もちろんこれが0円になります。)
プランを選ぶとチェックアウトに進みます。まずは基本情報入力という画面で、利用開始日、個数を選択します。
その下のクーポンセクションで、今回のトライアルキャンペーンクーポンが自動で適用されていました。
次は利用者の選択ですが、個数 = 1 であればここはそのまま次へを押すだけ。
*尚、FAQによると利用開始4日前まではキャンセル料無料、その後はキャンセル不可(全額負担)となるようです。
最後は決済方法ですが、現時点ではクレジットカードのみでした。
今回無料で決済は発生しないのですが、それでもクレジットカードは登録する必要がある仕様。NTTメディアサプライの公式サイトが403エラーを返していたことから個人的にはやや不安だったのですが、ソースを見る限り決済にはGMOペイメントゲートウェイのサービスを利用しているみたいでした。とはいえ自分は念の為Wiseのバーチャルデビットカード機能を使って捨てカードを作ってそれを使いました。
https://wise.com/invite/ih/shuheik
あとは入力 or 選択肢た情報を最後に確認する画面が出て、今回はなかったですが通常は決済が無事通れば、以下のような完了画面が表示されます。
次はeSIMのインストールです。
届いたeSIMのインストール
通常は利用開始日に選んだ日の3日前にメールが届き、eSIMをインストールできるようになるみたいですが、今回自分は購入日の翌日を利用開始日に選んだため、注文完了の数分後にメールが届きました。
尚、eSIMインストール(アクティベート)方法はLesimo公式サイトの使い方ページに詳しく載っています。
または以下の記事にもQRコードを使ったeSIMインストールについてスクショ付きで詳しく解説しているので、参考にしてください。
もしQRコードを表示させるデバイスがない場合は、以下の方法でインストールが可能です。(アクティベーションコード等はLesimo公式サイトにログイン後、契約内容のページで確認できます。)
今回自分はiPhone 14 Proに、QRコードを使ってインストールしました。
流れとしては以下↓のような感じです。
端末にeSIMを無事追加できたら、準備完了です。
海外での使い方と体験談
以下は実際に現地に着いてからの設定方法と、自分が実際に使ってみた際の通信品質について。使用端末はiPhone 14 Proです。
データ通信のセットアップ方法
実際に現地で使うために必要な設定についてはなぜかほとんど公式サイトや届いたメールに載っていなかったのですが、基本的には
- データローミングを有効
- APNを設定(もし必要であれば)
- モバイルデータ通信に割り当て
だけです。
今回自分が使ったアジア周遊プランのeSIMの場合は、APNの設定は最初からできていたので不要でした。(APN設定情報は「お申し込みプランの利用開始日が近づきました」というメールに記載されていました。)
iPhoneの場合は「この回線をオンにする」と「データローミング」がオンになっていて、かつモバイルデータ通信ネットワークをタップしてAPNが正しく設定されておればOK。
あとはモバイルデータ通信にLesimoのeSIMを設定するだけです。
Lesimoではインターネット共有(テザリング)も使えます。
東南アジアで実際に使ってみた
Lesimoのサイトでは現地での接続先ネットワークの情報が見当たらなかったので、特定のネットワークにしか繋がらないのか、マルチキャリア対応なのかが残念ながら判断できませんでした。
また、プランの有効期限がいつまでなのか、データ使用量がどれくらいなのか、調べる方法がない(記載がない)のでやや不便です。
マレーシア(クアラルンプール)
マレーシアではDigiの4Gにつながりました。
最初は速度も快適で問題なく使えていたのですが、数時間使っていると結構速度にムラがあるように感じ、たまーに劇的に遅くなることもありました。
以下が実際のスピードテストの結果です。一番左 => そこそこ快適に使えていたとき、真ん中 => ちょっと遅いかな、と感じたとき、一番右 => めちゃくちゃ遅く感じたい時、です。
基本的には真ん中のようなそこそこに使える状態が8割くらいだったように思います。なので大きな支障はないですが、平均的にアップロードはかなり遅め。そしてダウンロードもややムラがあると思っておいた方がいいでしょう。
尚、今回使ったこちらのアジア周遊eSIMは、台湾の中華電信のローミングネットワークでした。ということでIPアドレスも台湾、Pingがだいたい100ミリ秒前後でした。
タイ(バンコク空港、パタヤ)
タイに行った際に、バンコクのスワンナプーム国際空港(BKK)と、パタヤでLesimoを使ってみました。
結論から言うと、クアラルンプールの時と似たようにほぼほぼ使えるけど、多少不安定さがあり、そこまで満足度は高くないです。あと、個人的にはもっさり感があり、遅延(ラグ)を感じることが多かったように思います。
タイではdtacの4Gに繋がります。
以下がスピードテストの結果。左から、パタヤのターミナル21内、パタヤ市内(やや遅く感じた時)、スワンナプーム空港内です。
たまたま現地回線(dtac)側が混んでいたのか、ローミング回線の問題かわかりませんが、たまに遅く感じることもありました。
軽くSNSや調べものくらいに使う目的であれば、事足りると思いますが、常時サクサク快適に使えるわけではないと思うので、そこは期待値調整した方が良さそうです。
感想
実際のデータ通信に関しては、局所的な不安定さはありましたが、まあそこそこ使えた印象です。が、やはり価格がネックなのと(他の選択肢と比較してちょっと高めではなくかなり高めなので)、購入プロセス含めウェブサイトの使い勝手が良くない点が個人的には大きなマイナス点。モバイルアプリも現時点では提供なし。
価格面で競争しない方向性なのであれば、少なくとも使い勝手はめちゃくちゃ考え抜いて簡単にして欲しいですし、それプラスFAQ含めカスタマーサポートが手厚いなど特色があってほしいところ。
あるいは利用可能国や地域は限定的だが遅延が非常に少ない高品質なデータ通信が使える、とか、データ通信のみではなく電話&SMSも利用できるサービス、など何かしら差別化要素がないと、現時点ではLesimoのeSIMを選ぶ「理由」が見当たらないなー、というのが個人的な感想です。
もし海外旅行時のモバイルデータ通信にeSIMを検討している方は、ぜひ eSIMDB でいろいろな選択肢を比較してみてください 👇
最近はどんどん低価格な選択肢も増えてきている印象です。