オススメのフィリピン旅行用eSIMを複数テスト【通信品質や料金など比較】
フィリピン滞在中に使えるプリペイドeSIMを実際に検証するまとめ記事。
実際に現地で旅行eSIMをテストしてみるまとめ記事、今回はフィリピンです。
島国であるフィリピンは首都マニラ以外にも第二の都市セブをはじめ、パラワンやボラカイ、ボホールなどの離島、さらにダバオなどの南部と、エリアがいろいろ分かれており、それぞれ特色も異なります。
一気にすべてのエリアでテスト、というわけにはいかないので、このまとめ記事では徐々にエリアやeSIMの情報を追記していく予定です。
現時点では、まず2023年1月に訪れた首都マニラにて、いくつか旅行eSIMを利用してみたので、その情報をレポートします。使用端末はiPhone 14 Pro。
尚、フィリピン旅行で使えるeSIMは20以上ありますので、この記事の情報も参考にしつつ、eSIMDBでいろいろ探してみてください👇
現地のネットワークについて
参考情報程度に、まずフィリピンのキャリアについてですが、基本的にSmartとGlobeの2強という状況と言って差し支えないと思います。実際現地でもその2社の広告・マーケティングを大量に見ます。
両者のネットワークについては多少の差はもちろんあれど、似たり寄ったりといったイメージ。Opensignalの2022年10月のレポートによると、Smartの方が多少ダウンロード速度が速い傾向にあり、またCoverage(エリア)もやや広め、という結果になっているようですが、現地の知人に聞いてもそこまで大差ないんじゃない?というような回答でした。
ちなみに5Gのデータについては、現状トラベルeSIMでは5G接続できるのがほぼない状態なので、あまり参考にならないかもしれません。
基本的にそこそこ人がいるエリアはリゾート地も含めて、Globe・Smartともに問題なく電波があるはずですが、詳しく確認したい方や、かなりの僻地に行かれる方はnPerfやGSMAのNetwork Coverage Mapsなどで事前に確認することをオススメします。
(両社公式サイトではリストばかりでエリアマップ的なものを見つけられませんでした。)
現状どのeSIMもこのどちらかのネットワークを利用するはずです。
Airalo
Airaloはコロナ直前の2020年2月に初めてフィリピンで使用し、以下の記事に内容をまとめたのですが、そこから数年経っていろいろと変わっています。
最新の情報はAiraloの公式サイト(日本語にも対応)をチェックするのがベストですが、執筆時点でのサービス内容を以下にまとめました。
AiraloのフィリピンeSIM データプラン
Airaloでは国ごとに異なるの名称がeSIMにつけられており、フィリピン向けのeSIMは Alpas Mobile という名前になっています。
Alpas Mobileで提供されているデータプランは以下の5種類。
- 1GB / 7日間 : $4.5
- 3GB / 30日間 : $9.5
- 5GB / 30日間 : $13
- 10GB / 30日間 : $21
- 20GB / 30日間 : $32
(ちなみに国別プラン以外にもリージョナルeSIM、そしてグローバルeSIMと複数国対応したものもありますが、今回は国別プランのみ載せています。)
2020年の時と比べると、プランも増え、かつ料金も半分くらいになっている印象。
特に5GB以上のプランでコスパが良く、例えば10GBプランだと上記の割引コードを使うと18.9ドル。1ドル135円とすると2500円前後と、GB当たり250円ほどになります。
尚、Airaloをはじめて使う方は、以下にAiralo eSIMの購入からインストール方法まで画像付きでまとめています↓
Airalo eSIMのフィリピンでの通信品質
*首都マニラにおける体験談です。
ニノイ・アキノ国際空港(MNL)に到着後、モバイルデータ通信にAiraloのeSIMを設定、そしてデータローミングを有効にするとすぐにアンテナピクトが立ちました。
接続先はGlobe 4G。
前回はSmartだったので、裏側が(というか元のeSIM自体の提供元が)変わっていました。
今回滞在がマニラの中心エリアとその周辺のみだったので、エリア的には全く問題なかったです。(一部エスカレーター内などを除く。)
通信速度
次に重要な速度ですが、以下がスピードテストの結果です。左から、ニノイ・アキノ空港、マカティエリア、そしてBGCです。
数字的にはダウンロードはそこそこ、アップロードはやや遅めといったところでしょうか。
ただ、このeSIMはシンガポールの通信会社Singtelが提供しているもので、そのローミング通信になるため、遅延(レイテンシー)が100ミリ秒弱発生します。そのため体感速度は正直40Mbpsも出てる?といった感じでした。が、まあ現地プリペイドSIMでもたぶんそこまで高速かは微妙ですし、滞在中必要だったアプリ(Grab、Googleマップ含む)は問題なく使えたので、個人的にはOKでした。少なくとも止まったり通信が途切れるといったことは一度もありませんでした。
Airalo まとめ
データプランの料金(コスパ)と、若干のレイテンシーを許容できるのであれば、問題なく使える、使いやすいeSIMだと思います。
ちなみにインターネット共有(テザリング)もちゃんと使えました。
また、Airaloはアプリも使いやすく、↓の通りデータ残量チェックや追加のデータ購入もできます。
今後さらに料金が下がることに期待したいところ。
再度になりますが、最新情報は以下の公式サイトからご確認ください。
Nomad
Nomad もAiraloと並び、料金、プランの量、使いやすさのバランスがとれた旅行者向けeSIMサービスです。
2022年から料金もかなり下げてきており、多くの場合最安値レベルと言えます。そして待望のAndroidアプリも2022年秋にリリースされました。
2023年に日本語にも対応し、より使いやすくなりました。
*ただしここで使われている画像は少し前のものなので英語になっています。現在は日本語で利用でいます。
Nomad eSIMのフィリピン向けデータプラン
*こちらも以下の情報は執筆時点となりますので、最新のデータプランは公式サイトからチェックをお願いします。
Nomadは大容量プランも多数揃えているため、フィリピン向けデータプランは合計11種類もあります。
- 1GB / 7日間 : $4
- (2GB / 30日間 : $10)
- 3GB / 30日間 : $8
- 5GB / 30日間 : $12
- 10GB / 30日間 : $19
- 15GB / 30日間 : $25
- 20GB / 30日間 : $34
- 30GB / 30日間 : $80
- 40GB / 30日間 : $110
- 50GB / 30日間 : $125
- 100GB / 60日間 : $240
(ただし、2GBプランだけは提供元が異なるようでコスパが悪く、実質の選択肢は10プラン。)
料金面で言えばたぶん現状は旅行者向けeSIMサービスの中では最安値レベルのはず。
参考までに、Nomad eSIMの購入方法とインストールの手順は以下の記事にまとめてあります。
Nomad eSIMのフィリピンでの通信品質
*首都マニラにおける体験談です。
こちらも一般的なトラベルeSIM同様、必要な設定としては、データローミング有効と、モバイルデータ通信への割り当てのみです。
(Nomadでは一部データプランのアクティベートが必要なものもありますが、フィリピン向けデータプランは2GBプラン以外は不要で上記の設定をすればそのまま繋がります。)
自分はiPhone 14 Proでの利用でしたが、ニノイ・アキノ空港到着時から問題なくネットワークに接続されました。
NomadのeSIMもフィリピンではGlobeに繋がります。
Airaloのセクションでも書いた通り、マニラでは電波の問題は全くありませんでした。もちろんアンテナピクトが4本立たない場所はいろいろあったと記憶してますが、圏外になることはまずなかったです。
通信速度
以下、スピードテストの結果です。左から、ニノイ・アキノ空港、マカティエリア、そしてBGC中心部。
結論、そこまで速くはないです。Airaloと比較してもやや劣る程度。場所によってはそこそこの数字は出ていますが。ただAiraloも使っていてそこまで速いとは感じなかったので、正直両者の差は体感としてはほとんどありません。どっちもどっちといった印象。
PROVIDERの所に 101o / csl と書いてありますが、このNomadのeSIMは香港の通信会社CSLが提供するローミングを利用したものということがわかりました。したがって通信は香港を経由するため、Pingが60 - 80ミリ秒前後発生しています。これはシンガポールを経由するAiraloのeSIMと比較すると、若干ですがベター。
Nomad まとめ
スピードテストではAiraloと比較すると若干劣る結果ではあるものの、両者一定のレイテンシー(遅延)もあるため体感としては誤差レベルの差。
料金的にはNomadは現時点で一番オススメできるeSIMです。
ただ、帰国時に空港でインターネット共有を試した際に通信がやたらと遅く、使いものにならなかった点はマイナスでした(接続自体はできたのですが)。場所的に悪かったのか、あるいは別の原因かは不明ですが、テザリングをよく利用する方は少し注意してバックアップを考えておいた方がいいかもしれません。
最後に、Nomadのアプリについてですが、iOSアプリは以下のような感じで、データ残量チェック、データの追加購入がアプリから可能です。
Nomadはフィリピン以外の国でも比較的安価なデータプランが揃っており、使いやすいので、海外でeSIMを使う予定があればぜひ一度検討してみてください。
今のところ3ドル割引コードの「ESIMDB3」も利用できます。
eSIM2Fly
eSIM2Flyは主に東南アジアを旅行する人に以前から人気のSIMカード「SIM2Fly」のeSIM版です。
提供元はタイの通信大手AISですが、こちらのeSIM2Flyは販売代理店(リセラー)から購入することができます。
複数のリセラーが販売をしているのですが、中でも現時点で最安値は esim2fly.com 経由での購入です。
フィリピンだとAsia 6GB Planがベスト。内容は、
- 価格: 16ドル(以前はこれより数ドル高かったのですが、2023年に入って値下げされました。)
- 有効期限: 8日間
- 6GB使用後も2G(128kbps)で低速ながらデータ継続利用可能
- アジア圏を中心に34カ国で利用可能
こちらのAsiaプラン、日本でも利用できるので、事前の通信確認ができるところがメリットです。もちろん、帰国後に余ったデータを国内で使うことも(有効期限が残っておれば)可能。
以下にeSIM2Flyの購入方法、そして1ドルOFFになる割引クーポンコード「ESIMDB」の利用方法も含めてまとめています。
フィリピンでの通信品質
こちらは次回テスト予定ですが、わかっている情報としては、
- AISが提供するeSIMなので、通信はタイを経由するローミング
- フィリピンでは5Gにも対応しているらしい(esim2fly.comに記載されている情報)
- インターネット共有(テザリング)も利用可能